軸ずらし転職とは?製造業で収入アップを狙う考え方

軸ずらし転職で経験を活かしながら収入アップを狙う考え方_アイキャッチ

「転職で収入を上げたい。でも、未経験の仕事に挑戦したら年収が下がりそう」と感じていませんか?

そんなときに考えたいのが、軸ずらし転職です。

軸ずらし転職とは、今までの経験をすべて捨てるのではなく、業種か職種のどちらかを少しずらして転職する考え方です。

例えば、同じ製造業の中で現場作業から生産技術へ移る。板金設計の経験を活かして、別業界の筐体設計へ移る。このように、経験の一部を活かしながら新しい領域へ移ることで、収入アップやスキルアップの可能性を広げられます。

この記事では、製造業で働いてきた経験をもとに、軸ずらし転職の考え方、狙いやすい職種、転職エージェントへ相談する前に整理したいポイントを解説します。

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目次

軸ずらし転職とは、経験を活かして移動する転職

「軸ずらし転職」の2パターンを説明する横長図解。左に現在の経験、中央に「職種をずらす」「業種をずらす」の2分岐、右に新しい選択肢。

軸ずらし転職は、大きく分けると次の2パターンです。

  • 職種は近いまま、業種を変える
  • 業種は近いまま、職種を変える

どちらにも共通しているのは、今までの経験を活かせる部分を残すことです。

完全な未経験転職では、評価される材料が少なくなり、年収が下がることもあります。一方で、軸ずらし転職なら「前職で身につけた知識」「現場感覚」「業界理解」を次の仕事に持ち込めます。

例えば、次のような動き方です。

ずらし方活かせる経験
同じ業種で職種を変える加工メーカーのマシンオペレーターからCAD/CAM担当へ加工条件、段取り、現場の流れ
同上FA機器メーカーの組立からサービスエンジニアへ製品構造、現場対応、組立知識
同じ職種で業種を変える空調機メーカーの筐体設計からPC周辺機器の筐体設計へ板金設計、コスト感覚、量産性
同上FA機器メーカーの制御設計から自動車関連の制御設計へ制御設計、電気知識、仕様理解

「今の仕事しかできない」と考えると選択肢は狭くなります。ですが、少し抽象化して見ると、別の業種や職種でも使える経験は意外とあります。

軸ずらし転職のメリットは収入とスキルの両方を狙えること

軸ずらし転職のメリットを示す図解。中央に「今までの経験」、右上に「収入アップの可能性」、右下に「スキルアップ」、左下に「評価される場所へ移す」。矢印で経験が2つのメリットにつながる構図。

軸ずらし転職のメリットは、収入アップとスキルアップの両方を狙えることです。

同じ仕事内容のまま転職するだけでも年収が上がることはあります。ただ、給与水準が低い業種や職種に留まっていると、どれだけ頑張っても上がり幅には限界があります。

そこで、少し視点を変えます。

  • 給与水準の高い業種へ移る
  • 現場経験を活かせる上流工程へ移る
  • 伸びている分野に近い職種へ移る
  • 今の経験を評価してくれる会社へ移る

私自身も、振り返ると軸ずらし転職をしてきました。

簡単な略歴は以下です。

  1. 精密機器メーカー/板金設計・板金加工
  2. FA機器メーカー/機械設計
  3. 加工メーカー/板金設計・板金加工
  4. 加工メーカー/溶接・組立
  5. 装置メーカー/板金設計・筐体設計・プログラム

すべてが理想通りだったわけではありません。年収が下がった転職もあります。それでも、別の職種や業種へ少しずつ移ることで、できる仕事の幅は広がりました。

大切なのは、「今の経験をどこへ持っていくと評価されやすいか」を考えることです。

製造業で給与水準を上げるなら上流工程も見る

製造業の職種移動を階段状に示す図解。下段に「現場作業」、中段に「CAD/CAM・生産技術」、上段に「設計・工程管理」。右上に「給与水準を調べる」。

製造業では、現場経験があること自体が強みになります。

ただし、現場作業だけで収入を大きく上げようとすると、難易度の高い技能、作業スピード、きつい環境への対応などに頼る場面が増えます。もちろん、現場のプロとして稼ぐ道もありますが、年齢とともに体力面の負担が大きくなることもあります。

収入アップを狙うなら、現場経験を活かして上流工程へ移る選択肢も見ておきたいところです。

例えば、次のような方向があります。

  • マシンオペレーターからCAD/CAM担当へ
  • 溶接・組立から生産技術へ
  • 板金加工から板金設計へ
  • 現場リーダーから工程管理・生産管理へ
  • 設計補助から機械設計・筐体設計へ

上流工程へ行けば必ず収入が上がるわけではありません。会社や業界、地域、経験年数によって条件は変わります。

それでも、現場のことが分かる設計者や生産技術者は、現場とのやり取りや改善提案で強みを出しやすいです。

現場経験は、設計や生産技術に移った瞬間に消えるものではありません。むしろ、現場を知っているからこそ「加工しやすい形状」「組み立てやすい構造」「ムダの少ない段取り」を考えられます。

自分の強みは第三者に見つけてもらう

自分の強みの棚卸しを表す図解。左に「経験」、中央に「第三者の視点」、右に「改善経験・調整力・現場理解・教育経験」の4つの強み。職務経歴書に使える言葉へ変換するイメージ。

軸ずらし転職で難しいのは、自分の経験がどこで評価されるかを自分だけで判断しにくいことです。

自分では当たり前だと思っている経験が、別の会社では強みになることがあります。

  • 現場で不具合対応をしてきた
  • 加工しにくい形状を何度も見てきた
  • 設計者と現場の間で調整してきた
  • CAMや治具の工夫で作業時間を短縮してきた
  • 後輩に作業を教えてきた

こうした経験は、職務経歴書に書き方を間違えるとただの作業内容に見えます。ですが、言い換えると「改善経験」「調整力」「現場理解」「教育経験」として伝えられます。

自分の強みや向いている方向が分からない場合は、家族や友人に相談するのも一つの方法です。身近に相談しにくい場合は、キャリア相談サービスで自己分析をするのも選択肢になります。

転職するかどうかを決める前に、自分の経験を棚卸ししておくと、求人を見る目も変わります。

転職エージェントを使うと求人とのミスマッチを減らしやすい

転職エージェント利用時の相談準備を説明する図解。左に「経験・得意不得意・希望条件」、中央に「転職エージェントへ相談」、右に「求人とのミスマッチを減らす」。

転職エージェントは、求職者と企業の間に入り、求人情報だけでは分かりにくい条件や期待値を整理してくれます。

軸ずらし転職では、求人票の職種名だけを見ても、自分の経験が活かせるか判断しにくいことがあります。

例えば「生産技術」と書かれていても、会社によって仕事内容は違います。設備導入が中心の会社もあれば、治具設計、工程改善、品質改善、現場調整が中心の会社もあります。

転職エージェントに相談するときは、次のように伝えると話が進めやすくなります。

  • 今まで経験してきた業務
  • 得意な作業・苦手な作業
  • 年収を上げたい理由
  • 業種と職種のどちらをずらしたいか
  • 残したい条件と、妥協できる条件

転職エージェントを利用すれば必ず良い求人が見つかるわけではありません。ただ、求人を一人で探し続けるより、選択肢を広げやすくなります。

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まとめ|軸ずらし転職は経験の使い道を変える方法

軸ずらし転職は、経験を捨てる転職ではありません。今までの知識や経験を活かしながら、業種や職種を少し変えて、収入アップやスキルアップの可能性を広げる方法です。

ポイントは次の3つです。

  • 業種か職種のどちらかを少しずらす
  • 給与水準が高い業界・職種を調べる
  • 自分の経験がどこで評価されるか第三者にも見てもらう

未経験の業種や職種に飛び込むのは不安があります。だからこそ、今までの経験を棚卸しして、活かせる部分を残しながら次の選択肢を探すことが大切です。

転職エージェントには、収入アップのために軸ずらし転職を考えていることを伝え、どの業種・職種なら経験が活きそうか相談してみましょう。

実際に転職するかどうかは、求人の条件や仕事内容を見てから判断すれば大丈夫です。今すぐ転職しなくても、選択肢を知るだけで今後の動き方は変わります。

グラント
板金設計/筐体設計・板金加工歴17年の現役エンジニアです。

精密機器メーカー → FA機器メーカー → 加工メーカー×2 → 現在は、装置メーカー(プラント関係)にて、設計やモデリング・製図・NCデータの作成を主にやっています。

メインツールは『SOLIDWORKS/SheetWorks』

製造業で働く皆なさまが、収入アップを実現できるように、当サイト【グラント】を運営。
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