SOLIDWORKSで使用するパソコンは、超ハイスペックとまではいきませんが、そこそこのスペックが必要になります。
SOLIDWORKSは3D CADのため、CPUやGPUに負荷がかかり、データ量も多くなります。全体的に求められる性能が高くなってしまうため、テキストや画像処理を行うパソコンに比べると高価になってしまいます。
何も考えないのであれば、超爆速、超高性能パソコンを買ってしまえば問題ないのですが、オーバースペックのパソコンを買ってもお金の無駄なので、使用用途や使用環境に合わせてパソコンを購入しましょう。
SOLIDWORKSを安く買う方法はこちらで解説しています。


SOLIDWORKSの動作環境・推奨スペック
公式サイトのシステム要件をまとめると下記のようになります。
対応OS | Windows 10/Windows 11(64ビット) |
プロセッサ(CPU) | 64ビット/IntelまたはAMD(3.3GHz 以上) |
RAM(メモリ) | 16GB 以上 |
グラフィックス(GPU) | NVIDIA RTX/Quadroがおすすめ(認定済みのカードとドライバ) |
ストレージ | SSD推奨 |
『動作環境よりおすすめのパソコンを知りたい』という方は下記のリンクから飛べます。
≫ おすすめのBTOメーカー/中古ショップはこちら
≫ おすすめのパソコンはこちら
推奨OSはWindows 10 or 11
SOLIDWORKSは「Windows 10」または「Windows 11」で動作します(Windows11の場合は「SOLIDWORKS 2022 SP2」以降をインストール)。
MacでもSOLIDWORKSを利用できますが、Macをすでに所有している方以外はおすすめしません。新たにSOLIDWORKS用のパソコンを購入するなら、Windowsをおすすめします。
MacでSOLIDWORKSを使いたい場合は、【Parallels(パラレルズ)】を利用して、MacにWindowsをインストールする必要があります。macOSでSOLIDWORKSは動作しません。eDrawingsのみ動作します(App Storeにアプリあり)。
Intel Macであれば、Boot Campという手もありますが、Appleシリコン(M1/M2)には使えなので、IntelとAppleシリコン両方で使える【Parallels】を利用しましょう。有料ですが、月1,000円程度で利用できます。Windowsのライセンスは別途必要です。
≫ Parallels(パラレルズ)の使い方(動画)
≫ Boot Campの使い方
プロセッサ(CPU)はXeonまたはCore i7/i9
公式サイトには「プロセッサ:64ビット/IntelまたはAMD」とだけ書いてあります。プロセッサ=CPUと考えてもらって構いません。
この内容だけを見てしまうと『Intel製かAMD製ならなんでも良いの?』と思ってしまいますが、そういうわけにはいきません。
CPUに関しては、最低でもクロック数が3.3GHz以上のものを選択しましょう。信頼性を重視するなら、Intel製の「Xeon」をおすすめます。
とはいえ、Xeon搭載のワークステーションは価格が高めのものが多いので、コストを下げたい場合は、IntelのCoreシリーズでも構いません。
Coreシリーズでなら「Core i7/i9」の第10世代以上(最新は第13世代)を選ぶことをおすすめします。新品でパソコンを購入する場合は、最新のものが搭載されていることがほとんどなので、世代は気にしなくても大丈夫です。中古の場合は気をつけましょう。
≫ ワークステーション向け第12世代Coreシリーズ
≫ Core i7の製品仕様(第12世代)
≫ Core i9の製品仕様(第12世代)
RAM(メモリ)は16GB以上
公式サイトには16GB以上と記載されています。私が現在使用しているパソコンのメモリも16GBです。
「16GBで困ったことがあるか?」と聞かれたら、「ほとんどない」と答えます。
大規模アセンブリでは、謎の処理待ち時間が発生したり、アプリが落ちたりすることはありますが、ほとんどの作業は無難にこなせます。
「大規模アセンブリをさくさく動かしたい」とか、「レンダリングしながら他の作業もしたい」など高負荷の作業をしたいのなら、32GB以上の余裕のあるスペックを選ぶと安心です(高いですけど……)。
グラフィックボードはNVIDIA RTXシリーズ
3D CADには、グラフィックボードは重要な要素です。グラフィックボードとは、簡単にいうと映像を処理して出力する部品です。
一般のパソコンでは、CPUやマザーボードに内蔵されていることもありますが、それでは3D CADはまともに動きません。
ほとんどのCAD向けワークステーションには、CADでよく使われているグラフィックAPIである「OpenGL」に対応した、NVIDIA社のグラフィックボードが搭載されています。
最新のシリーズは「NVIDIA Tシリーズ」と「NVIDIA RTXシリーズ」。旧シリーズの「Quadro」は手に入りづらくなりました。Quadroは世代が古いので、最新シリーズより安く買えます。スペックが問題なければQuadroもありです。
≫ NVIDIAの現在のラインアップ
≫ 「NVIDIA T」「NVIDIA RTX」と「Quadro」の比較
無難なところでは「NVIDIA T1000」できれば「NVIDIA RTX A2000」以上あると安心です(数字が大きいほど高性能)。

『設計作業をなるべく早く進めたい』という場合は、グラフィックボードの性能よりも、CPUを高性能なものにした方がサクサク仕事が進みます。
ストレージはSSD推奨
ストレージを選ぶ際に悩むのは、「SSD(ソリッドステートドライブ)」か「HDD(ハードディスクドライブ)」かですよね。それぞれメリット/デメリットがありますが、総合的にはSSDがおすすめです。公式サイトでもSSDが推奨されています。
大容量のストレージが必要な場合は、SSDだと値段が跳ね上がってしまうので、HDDを選択して価格を抑えても作業に大きな支障はありません。
「SSD」「HDD」それぞれのメリット/デメリットは以下のとおりです。
「SSD」のメリット/デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
データ転送速度が速い 動作音が静か(ほぼ無音) 衝撃に強い 発熱・消費電力が少ない | データ復旧が難しい 価格が高い 大容量は特に高い! |
「HDD」のメリット/デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
価格が安い 長期保管に向いている データ復旧のノウハウが豊富 | データ転送速度が遅い 衝撃に弱い 動作音がする |
必要なスペック|まとめ
SOLIDWORKSに必要なスペックをまとめると、以下の表になります。
OS | Windows 10/Windows 11(64ビット) |
プロセッサ(CPU) | 「Intel Xeon」 or 「Core i7/i9」(3.3 GHz 以上) |
RAM(メモリ) | 16GB 以上 |
グラフィックス(GPU) | NVIDIA RTX A2000 以上 |
ストレージ | SSD 推奨(256GB 以上) |
BTOパソコン・中古パソコンがおすすめ
用途が決まっているパソコンは、BTOパソコンがおすすめです。メーカー製のパソコンに比べて、より高性能なパソコンがより安く購入できます。
NECや富士通などのメーカー製パソコンは、割高感はありますが安心感があります。この辺は好みなので、無理にBTOパソコンにこだわる必要はありません。
≫ おすすめのBTOパソコンへ
新品にはこだわりがなく、なるべくコストを抑えたい場合は、中古パソコンがおすすめです。問題なく使えるのに「中古」というだけで安くなるので、『中古なんて考えられない』『他人が使ったものなんか使いたくない』という人以外は中古パソコンも検討しましょう。
中古パソコンは希望のスペックのものが、必ず手に入るわけではありません。『希望のパソコンが見つかったら、ラッキー』ぐらいの気持ちでのぞいてみましょう。
BTOパソコンとは『受注組み立て』
BTOとは『Build To Order(受注生産)』という意味ですが、BTOパソコンは、『購入者がパーツを選んでから組み立てる』という意味です。
「パソコンのことはよく分からないから、パーツ選ぶの難しそう……」と感じるかもしれませんが、BTOパソコンは、メーカーが指定する範囲の中から選択するので、「メモリを増やしたい」とか「グラフィックボードを少し良いのにしたい」といった自分好みのカスタマイズが気軽にできます。
BTOパソコンのメリット/デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
必要なスペックにカスタマイズできる。 パーツの相性による動作不良がない。 自分で組み立てる必要がない。 使わないアプリが入っていない。 壊れた部品や、古い部品を交換して長く使える。 | 自分でパーツを選ぶ必要がある。 注文してから組み立てるので、すぐには手に入らない。 |
BTOパソコンはメリットの多いパソコンの買い方になりますが、「パソコンのことがよく分からない」という方にはハードルの高い買い方です。
迷って決められない場合は、素直にメーカー製のパソコンを購入するのも否定はしません。『迷ってる時間も楽しい』という方は別ですが、迷って時間ばかり使っても、何も生まれませんからね。
パソコンを選ぶのが面倒くさい方は、おすすめのパソコンが最後にあるので参考にしてください。
おすすめのBTOメーカー/中古パソコンショップ
BTOメーカー自体が多数あるので、パソコンを選ぶ前に『どこで買うか?』に迷うかと思います。ここでは、有名なBTOメーカーを4社、中古パソコンショップを1社、ご紹介します。
SOLIDWORKS用にBTOパソコンを探す場合は、グラフィックボードから検索して、他の性能を見ていくとサイト内で迷子になりづらいですよ。
パソコン工房
パソコン工房は、株式会社ユニットコムが運営する老舗パソコンショップです。全国に店舗があるため、店舗での購入が可能です。インターネットで注文して、店舗で受け取ることも可能。もちろん、インターネット通販もできます。
製品ラインアップが豊富なため、欲しいパソコンを探すのが大変そうですが、用途別にカテゴリー分けされているので、探しているパソコンにたどり着くのが簡単です。
CAD向けのパソコンを探すには左側のサイドバーから、「クリエイターパソコン」→「CAD・設計」→「3D CAD編集・解析」から探してみましょう。
≫ 公式サイトはこちら






パソコン工房の魅力は下記の5点です。
種類が豊富
種類が豊富なため、選ぶのに少々悩みますが、ゲーマー向け、クリエイター向けなどさまざまな用途に最適なパソコンがみつかります。もちろんSOLIDWORKSに最適なパソコンもあります。
探し回ったけど、欲しいパソコンがみつからない……といったことがありません。
購入の際に不安なことがあれば、電話やメール、チャットで気軽に問い合わせができるので安心です。
最新パーツへの対応が早い
CPUやグラフィックボードなど、最新のパーツが登場しても、販売するパソコンに導入するには時間がかかるのですが、パソコン工房は対応が早いです。
最新スペックのパソコンが手に入りやすいため、購入後も長くパソコンを使用できます。
安心のサポート
パソコン工房のコールセンターは、24時間、365日受付けており、全国のショップでもサポートを受けることができます。保証期間を問わず、パソコン工房で購入した製品はトラブルに対応してもらえるため心強いです。
≫ 店舗一覧はこちら
保証期間は無償保証が1年間。延長保証は3年間、または4年間から選べます。他にも火災や落下など、事故や過失による故障を、本体金額の100%まで保証する「物損保証付き」も選択可能です。
定番のソフトが購入可能
Officeはもちろん、セキュリティーソフトやAdobe製品など定番のソフトが購入できるため、探し回って購入する手間が省けます。
最近は光学ドライブのないパソコンが増えているので、ダウンロード版が気軽に買えるのはうれしいサービスです。
≫ ソフトのダウンロード販売はこちら
買い替えがお得
下取りサービスを利用すると、無条件で購入代金が1,000円引き。古いパソコンの送料が無料で下取りに出せます。
古いパソコンの発送は、新しいパソコンが届いてから10日以内でいいので、データの引っ越し作業も余裕をもって行えるので安心です。
法人の場合は、ビジネス優待会員になると最大30,000円、定額で買取してもらえます。
≫ 詳しい条件はこちら



個人でも、法人でも、買い替えはパソコン工房がお得です。
ドスパラ
ドスパラは、秋葉原のパソコン専門店です。現在は全国に31店舗もあります。BTOパソコンといえばドスパラと言えるぐらい有名ですね。
ドスパラというと、ゲーミングPCのイメージが強いですが、ゲーム用途以外のパソコンも製作、販売しています。
国内で生産しているため、カスタマイズ内容によっては最短翌日に出荷可能。店舗での購入以外に、通販にも対応しており、全国どこからでも注文できます。
保証期間が最長5年と長く、24時間365日電話サポートを受け付けているので、購入後も安心感のあるメーカーです。
≫ ドスパラでおすすめのパソコンへ
FRONTIER(フロンティア)
FRONTIERの魅力は、セール品の安さです。欲しいスペックのパソコンがセール中であれば、かなりお得に購入できます。セール品以外も、全体的に価格は抑えめの印象です。
サイトがシンプルで、他のメーカーに比べて目的のパソコンが探しやすくなっています。欲しいスペックの製品にたどり着くのが簡単です。
電話サポートは「10:00〜19:00」になっており、いつでも相談できる安心感はありません。しかし、サイト内の「よくあるお問い合わせ」に詳しい解説が掲載されているので、トラブルがあってもこちらを読めば大概は解決できそうです。
電話サポートを24時間にしないことで、余計なコストがかかっていないので、より安く買えるというメリットがあります。サポート面のデメリットに目をつぶれる人には、おすすめのメーカーです。
≫ FRONTIERでおすすめのパソコンへ
≫ セールはこちらからチェック
≫ アウトレットはこちらからチェック
マウスコンピューター
マウスコンピューターは、1人が1台のパソコンを最後まで作り上げる、セル生産方式を採用しています。『高品質なパソコンを、1人でも多くの方に末長くつかっていただきたい』という想いをもとに、開発から製造まで、徹底した品質管理をしており、信頼できるメーカーです。
サイトを見ていて感銘を受けた文章があります。
期待に応えるのではなく、期待を超えていくために。私たちは品質に向き合い続けます。
引用:マウスの想い(マウスコンピューター)
この文章を読んで製造業に携わる人間として、目が覚めるような思いでした。期待に応えるのは当たり前と考えていましたが、期待を超えていくような仕事ができていたかと思うと、『できていないな…』と勝手に反省しています。
話がそれましたが、マウスコンピューターは提供している製品やサービスを考えると、『ここで買っておけば間違いない』と思えるメーカーです。
- 徹底した品質管理
- 安心の国内生産 ※一部海外生産あり
- パソコンに詳しくない人にも分かりやすい公式サイト
- 24時間365日対応のサポートサービス
Qualit(クオリット)
Qualit
「中古でパソコンを購入するのは不安……」という方もいらっしゃいますが、Qualitは12ヶ月保証がついているので安心です。
サイトが見やすく、検索もしやすいので、おすすめのショップです。ワークステーションのページ
中古なので、プロセッサ(CPU)やグラフィックス(GPU)の型番が古いものがあります。性能がよく分からない場合は、下記のリンクから仕様を確認してください。
≫ Xeonの製品仕様
≫ 「NVIDIA T」「NVIDIA RTX」と「Quadro」の比較
新しいSOLIDWORKSでは認定されていない、古いグラフィックボードが公表されているので、この中に含まれているものは避けましょう。5年以上前の、古いパソコンを買わなければ大丈夫そうですね。
【中古パソコンを選ぶ目安】
プロセッサ(CPU) | 「Intel Xeon」 or 「Core i7/i9」(3.3 GHz 以上) |
RAM(メモリ) | 16GB 以上 |
グラフィックボード(GPU) | 「NVIDIA RTX A2000 以上」 or 「NVIDIA Quadro P2000 以上」(4GB 以上) |
ストレージ | SSD 推奨(HDDでも可)(256GB 以上) |
\12ヶ月保証で安心/
SOLIDWORKSに最適なパソコン|まとめ
SOLIDWORKSに使うパソコンは安くはありません。安くはありませんが、SOLIDWORKSは設計士やCADオペにとっては、大切な商売道具です。
無駄に高いものは必要ありませんが、「まともに作業できない!」なんてことにならないように、最小スペック以上のものを購入してください。
OSが「Windows Home」の機種があります。自宅で使用する場合は「Home」でも構いませんが、『会社で使用する』『仕事で使用する』という場合は「Pro」にカスタマイズすることをおすすめします。
パソコン工房でおすすめのパソコン
【SENSE-S06M-127-NLX】


OS | Windows 11 Home |
CPU | Core i7-12700 |
グラフィックス | NVIDIA RTX A2000 |
RAM(メモリ) | 16GB (8GB×2) |
SSD | 500GB (NVMe) |
\無難な構成/
【SENSE-F079-LC139KF-NLX】


OS | Windows 11 Home |
CPU(水冷) | Core i9-13900KF |
グラフィックス | NVIDIA RTX A2000 |
RAM(メモリ) | 32GB (16GB×2) |
SSD | 1TB (NVMe) |
\余裕のある構成/
ドスパラでおすすめのパソコン
【raytrek LC-MA2 /12G】


OS | Windows 11 Home |
CPU | Core i7-12700 |
グラフィックス | NVIDIA RTX A2000 |
RAM(メモリ) | 16GB |
SSD | 500GB |
\無難な構成/
【raytrek ZQ9-A4000】


OS | Windows 11 Home |
CPU | Core i9-12900K |
グラフィックス | NVIDIA RTX A4000 |
RAM(メモリ) | 32GB |
SSD | 1TB |
\余裕のある構成/
FRONTIERでおすすめのパソコン
【FRGH670/CG3】


OS | Windows 11 Home |
CPU | Core i7-12700F |
グラフィックス | NVIDIA RTX A2000 |
RAM(メモリ) | 32GB (16GB×2) |
SSD | 1TB (NVMe) |
\無難な構成/
【FRGH670/CG2】


OS | Windows 11 Home |
CPU | Core i7-12700F |
グラフィックス | NVIDIA RTX A4000 |
RAM(メモリ) | 32GB (16GB×2) |
SSD | 1TB (NVMe) |
\余裕のある構成/
マウスコンピューターでおすすめのパソコン
【DAIV Z7-T1】


OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i7-12700 |
グラフィックス | NVIDIA T1000 |
RAM(メモリ) | 32GB (16GB×2) |
SSD | 512GB (NVMe) |
HDD | 2TB |
\ストレージ優先/
【MousePro-T350XA2】


OS | Windows 10 Pro 64ビット |
CPU | Core i7-12700 |
グラフィックス | NVIDIA RTX A2000 |
RAM(メモリ) | 32GB (16GB×2) |
SSD | 256GB (NVMe) |
HDD |
\グラフィックス優先/