転職を成功させるには、転職エージェントをうまく利用する必要があります。
転職エージェントは転職のプロです。プロのサポートを受けずに転職活動するのと、プロのサポートを受けながら転職活動するのでは、後者の方は成功確率が上がるのは当然です。
ここでは
- 利用した方がいいのは分かってるけど、不安で登録できない
- 転職エージェントを利用したことがない
- 過去に利用したけど、嫌な思いをした
- そもそも転職エージェントってなに?
というあなたのために、転職エージェントを正しく利用して、転職を成功させる方法を解説しています。
転職エージェントは無料で利用できる
転職エージェントのことをよく知らないと、「高額なコンサル料を請求されそう」「転職エージェントってなんか怪しい」というような印象を持っている方も多いです。
結論から言うと、転職エージェントは全てのサービスを無料で利用できます。転職エージェントは詐欺師集団なんてこともありません。まっとうなビジネスです。
怪しまずに利用してください。
無料で利用できる理由
転職エージェントは下の図のように、採用活動をしている企業から、成果報酬を得ています。転職希望者に料金を請求することはありません。
企業が転職エージェントを利用する理由
企業が転職エージェントを利用するのは、以下のようなメリットがあるからです。
- ミスマッチを事前に防げる
- 応募情報の取捨選択してもらえる
ミスマッチを事前に防げる
転職エージェントは、企業側と転職者側の両者の情報を持っています。企業が求めている人材と、転職者の希望条件がマッチする人材を紹介することで、ミスマッチを防げます。
応募情報の取捨選択
好条件の求人は応募数が多く、書類選考や面接など企業の採用担当者の負担が大きくなります。転職者の情報を転職エージェントが取捨選択して、企業が求めている人材の情報のみを企業に渡すことで、採用担当者の負担を減らせます。
転職エージェントを利用するメリット/デメリット
転職エージェントを利用するとメリットが多いです。デメリットと呼べるようなことはありませんが、人によっては不快に感じることがあるので、その辺を解説していきます。
利用するメリット
一人で転職活動する場合と、転職エージェントを利用する場合で比較してみると、メリットがよく分かります。
転職時にやること | 一人で転職活動 | 転職エージェントを利用 |
---|---|---|
求人情報の検索 | 求人サイトや求人誌で検索 | 希望条件を伝えるだけ |
非公開求人の有無 | 情報を取れない | 紹介してもらえる |
気になる求人(企業)のリサーチ | 口コミサイトやデータバンクなどで調査 | 転職エージェントから情報をもらえる |
応募書類の作成・推敲(添削) | 一人で作成・推敲 | 作成のサポート・添削してもらえる |
応募 | 自分で応募 | 担当のコンサルタントが応募 |
面接日時の調整 | 自分で調整 | 担当のコンサルタントが調整 |
面接対策 | 面接対策の勉強と、練習が必要 | 企業毎に対策をサポート |
労働条件の交渉 | 自分で交渉(ハードルが高い…) | 担当のコンサルタントが交渉 |
入社準備 | 一人で準備 | 担当のコンサルタントがサポート |
これだけのサポートを受けられます。しかも無料です。
応募数が多くなることが予想される場合や、求人情報を機密にしたい企業は、一般の求人誌や求人サイトなどには掲載せず、求人情報を非公開にします。
このような非公開求人は、転職エージェントに登録して、紹介してもらう以外に出会う機会はありません。非公開求人は好条件のものが多いので、転職エージェントを利用しないのは大きな機会損失になります。
利用するデメリット
転職エージェントを利用するデメリットはありませんが、利用する転職エージェントや担当者によっては、嫌な思いをすることもあるので、その辺を実体験も含めて話しておこうと思います。
転職エージェントを利用するデメリット(人によっては不快に感じること)は以下のとおりです。
連絡が多すぎる
やたらと連絡が多いことがあります。それだけ熱心に活動している証拠なので、悪いことではないのですが、電話連絡が多いと強制的に時間をとられるので、タイミングによっては『またか……』と感じます。
緊急でなければ、連絡はメールにしもらうことをおすすめします。
連絡がない
上記とは逆パターンですが、まったく連絡してこないことがあります。転職エージェントに登録して、面談まで済ませたのに、その後何も連絡がこなかったことがあります。私はそのまま放っておいたのですが、おそらく紹介する求人がなかったのでしょう。
面談以降、連絡がない場合は、他の転職エージェントを利用することをおすすめします。気になる場合は連絡してみてもいいですが、良い答えは期待できません。
転職活動が長期化している場合は、1〜2週間に一度はこちらから連絡して、転職の意思があることをアピールしてください。求人を紹介してもらえなくなります。
転職を急かされる
転職エージェントは採用が決まらないと、報酬を得ることができません。担当者によっては、転職する側の気持ちを考えずに応募して、転職を急かすような人もいます。『ビジネスだから仕方がない』と諦めるのではなく、転職エージェントに連絡して担当者の変更を依頼しましょう。
担当者が変わっても同じようなら、その転職エージェントの体質なので、他の転職エージェントを利用しましょう。
希望と合わない求人を紹介される
マッチする求人がないから無理矢理なのか、話を聞いていないのかはわかりませんが、希望と違う求人を紹介されることがあります。
担当者からすると『マッチする求人がないから、これ紹介してみようかな』と考えての行動かもしれませんが、希望していない求人を紹介されても迷惑です。はっきりと断りましょう。
「今までのキャリアから、こういう可能性もあるので、こんな求人はどうですか?」と、提案があれば別ですが、ただ希望していない求人を紹介されただけなら、担当者の変更をしてもらいましょう。
求人を紹介してもらえない(門前払い)
【連絡がない】とかぶる部分がありますが、登録したのに求人を紹介してもらえない場合があります。紹介してもらえない理由は以下の二つです。
- 1.マッチする求人が無い
-
マッチする求人が無い場合は、どうしようもありません。ミスマッチが起きそうな求人を紹介されるよりは良い対応です。
- 2.担当者が紹介したくないと感じた
-
詳しくは後述しますが、嘘をついたり、必要な情報を開示しなかったり、担当者が企業にこの人を紹介したくないと感じたら、求人を紹介してもらえないことがあります。
大抵はどうすることもできないので、他の転職エージェントを利用してください。
転職エージェントとの付き合い方
転職エージェントの顧客は企業
【無料で利用できる理由】でも触れていますが、求職者の採用が決まると、企業から転職エージェントに報酬が支払われます。転職エージェントの顧客は企業です。
だからといって、転職希望者がいないと転職エージェントのビジネスは成立しません。転職エージェントにとって重要なのは、採用活動をしている企業、転職希望者の両者です。ただ、企業と転職者の重要度が違います。
- 仕入れ担当の店員さん ⇒ 転職エージェント
- 売っている商品 ⇒ 転職希望者
- お店で買い物をする顧客 ⇒ 採用活動をしている企業
雑な例えですが、こんなイメージです。
顧客(企業)に買ってもらわないと、転職エージェントは一銭にもなりません。買ってもらうためには、商品(転職者)が魅力的である必要があります。どの企業にとって、どの転職者が魅力的かを判断して、転職エージェントはあなたに求人を紹介します。
これは転職エージェントを利用する際は、理解しておいてください。
担当のコンサルタントも一人の人
『転職希望者は転職エージェントにとって顧客じゃない』というのは【顧客は企業】でお話したとおりです。
あなたは転職エージェントに、今までの経験・能力・知識をプレゼンして、魅力的だと感じてもらう必要があります。担当者に対して、横柄な態度をとるのは論外です。勘違いした言動は避けましょう。
相手も一人の人です。嫌い・苦手と感じた人に対して、親身に相談に乗るのは難しいです。
担当者はあなたの転職市場での価値や態度以外にも、転職に対する意欲も見ています。転職する意欲を感じないと、採用になる確率が低いからです。
意欲をアピールする意味でも、転職を成功させる意味でも、積極的に担当のコンサルタントに相談してください。
嘘をつかない
転職を成功させるためには、担当者との信頼関係は大切です。嘘の情報を担当者に与えてはいけません。転職エージェントにも企業にも迷惑をかける行為なので、絶対に嘘はつかないでください。
嘘をつかないのと同時に隠し事をしないでください。プライベートの情報を与える必要はありませんが、転職のために必要な情報はすべて開示してください。情報量が多い方が、担当者もいろいろなプランを用意しやすくなります。
担当者との相性が悪いと感じたら
人と人の関係なので、相性はどうしてもあります。相性が悪いと感じたら、正直に担当者の変更を依頼してください。『やりづらいな……』と感じながら無理して付き合う必要はありません。
転職は人生の大きな転機になります。どうせなら、信頼できる『この人と転職活動をしたい』と思える人と、転職活動を進めてください。
複数利用(併用)するメリット/デメリット
転職エージェントを併用するとメリットが多いですが、デメリットもあります。
それぞれ解説していきます。
併用するメリット
出会える求人数が増える
- 一般的に公開されていない【非公開求人】
- それぞれの転職エージェントでしか出会えない【独占求人】
これらは転職エージェントを利用しないと出会えません。
特に独占求人に関しては、転職エージェントを併用しないと出会えない求人があります。複数の転職エージェントを利用することで、良い求人に出会える機会が増えるのは最大のメリットです。
転職エージェントのサービスを比較できる
転職エージェントによって、サービス内容に差があります。先述したように担当者との相性もありますが、『転職エージェント』という組織との相性もあります。
- コミュニケーションの頻度
- サポートの内容
これらは転職エージェントによって違います。担当者が変わることで、サポートの質が変わることはありますが、サポートの内容は、転職エージェントを変えないと変わりません。
『コミュニケーションの頻度が自分にとってちょうど良い』『自分が欲しているサポートをしてもらえる』この辺は相性があるので、あなたに合う転職エージェントを見つけるためにも、複数利用をおすすめします。
併用するデメリット
複数のコンサルタントとやりとり
二つの転職エージェントに登録すると、担当者は二人になります。三つなら三人です。あなたは一人なので1対2、1対3のやりとりが発生します。
登録しすぎると、担当者とのやりとりに時間を取られて、他のことに使う時間が減ります。
情報が多すぎてパンクする可能性がある
人は選ぶものが、多くなると決められなくなります。転職に向けて行動したのに、選択肢が多すぎて決められなくなっては意味がありません。
利用する転職エージェントを増やすと可能性は広がりますが、情報が多すぎるとマイナスになることがあります。何事もバランスが大切です。
転職エージェントの併用は2〜3社がおすすめです。1社目のやりとりが落ち着いてから、2社目の登録をしましょう。
転職エージェントに登録するタイミング
転職希望時期の3ヶ月前
『転職エージェントを利用したいけど、いつ登録したらいいんだろう?』って思いますよね。
答えは「転職したくなったら登録してください。」と言いたいところですが、多くの転職エージェントは3ヶ月前後の利用期限を設けています。そのため、転職したい時期の3ヶ月前に登録するのがベストと言えます。
まれに、メイテックネクストのように利用期限を設けていない転職エージェントもあります。そういった転職エージェントは、『転職しようかな』と考えたら、すぐにでも登録した方が有利になります。
求人は良いものから決まっていくので、早めに行動しましょう。
転職活動にかかる期間
先ほど、「3ヶ月前後の利用期限がある」という話をしましたが、実際は利用を続けられることが多いです。転職活動をしている間は、期限が過ぎたから『求人を紹介しない』『サポートをしない』なんてことは、ほとんどありません。
3ヶ月というのは準備・応募から内定・入社までに、3ヶ月程度かかることが多いからです。(準備・応募〜内定まで2ヶ月。現職の退職まで1ヶ月)『3ヶ月』という期間は目安程度にしてください。
利用を続けるには、転職する意思があることをアピールする必要があります。転職エージェントの立場からすると、
- 連絡しても返事が無い・返事が遅い
- 求人を紹介したのにまったく応募しない
こういった人に時間を使うより、連絡した際のレスポンスがよかったり、紹介した求人に応募してくれたりする人に、時間と労力をかけたいと思うはずです。
もし、転職の意思があるのに、担当者から連絡が来なくなったら、一度こちらから担当者に連絡を入れましょう。
断ることは可能?→自由です
転職エージェントを利用したら「何がなんでも転職しなければいけない」というわけではありません。
転職は人生の大切な転機です。自分に嘘はつかずに、嫌なことは断りましょう。
断りづらいことをまとめました。すべて断ることも受けることも自由です。
- 登録を解除したい
-
転職エージェントに登録して面談もしたけど、『ここは合わないな』と感じたら登録解除は自由にできます。無理に合わないと感じるところと付き合う必要はありません。
- 紹介された求人に応募したくない
-
紹介してもらった求人は、必ずしも応募する必要はありません。あなたが『応募したい』という意思を持った上で応募してください。担当者に流されて、応募するのは避けましょう。
- 内定を辞退したい
-
無事、内定をもらうことができても、提示された条件が合わないことがあります。
希望しているすべての条件を満たしていることはまれなので、ある程度捨てるべきところは出てきますが、どうしても譲れない部分で合わないのであれば、正直に断りましょう。
転職エージェントは転職を成功させるための近道。無料だから躊躇せずに、どんどん使っていきましょう。