Time Machineは『Macのデータを自動でパックアップし、復元も簡単にできる』Macユーザーにとって重要な機能です。「まだ使ったことないよ」という方は必ず設定しましょう。
設定は簡単です。適切な外付けストレージを接続し、初期設定を済ませれば、あとは何もする必要はありません。Macが自動でバックアップを取ってくれます。
この記事では、Time Machineを設定する方法と、最適な外付けストレージの選び方を解説しています。
Time Machineを正しく設定しておけば、Macに何かあっても、復元できるので安心です。
Time Machineを設定していなくて、復元したいデータがある場合はこちらを参照
外付けストレージを用意する|選び方
Time Machineにはバックアップ専用の外付けストレージが必要です。Appleによると“バックアップ対象のディスク総量に対して、2倍以上の容量が理想”とのことです。
ストレージ容量がMacの2倍以上あるストレージデバイスをご用意ください。たとえば、Mac本体のストレージが1TBの場合、少なくとも2TBの容量があるバックアップディスクが理想的です。Time Machineに必要なストレージ容量が不足している場合は、Mac が教えてくれます。
引用:Time Machine で Mac をバックアップする(Apple)
例えば下記のように、使用中のMacに対して約2倍の容量のストレージを用意すると安心です。
- 「256GB」のMac → 「512GB」の外付けストレージ
- 「512GB」のMac → 「1TB」の外付けストレージ
- 「1TB」のMac → 「2TB」の外付けストレージ
外付けストレージには大きく分けると「SSD」と「HDD」の2つの種類があります。どちらでも構いませんが、それぞれメリット/デメリットがあるので、自分に合う方を選択しましょう。
総合的には「SSD」の方が優れているので、迷ったら「SSD」をおすすめします。
Macのストレージを調べる方法
左上のアップルマークから、「システム設定」を選択してください。
サイドバーから「一般」を選択し、「ストレージ」をクリックしましょう。
使用中のMacのストレージが表示されます。USBドライブやSDカードなど接続中の外部ストレージも確認する場合は、「すべてのボリューム」をクリックしてください。
Time Machineの外付けストレージは、ここに表示されている総量の約2倍が理想です。
上の画像の例では、1TBのストレージを用意すればOKです。
「SSD」のメリット/デメリット
SSD(Solid State Drive『ソリッドステートドライブ』)の特徴を簡単に言うと、HDDに比べて「データの転送速度が速く、衝撃に強い」という特徴があります。
物理的に動いているものがないので、消費電力が少なく、動作音も静かです。
最大のデメリットは価格が高いこと。差が縮まってきたとはいえ、まだまだ高いのが現状です。1TBのSSDが買える金額で、HDDは2TB〜4TBの容量が買えてしまいます。
もう一つのデメリットは、破損した際の復旧が難しいことです。SSDは複雑な仕組みで動作しているため、データ復旧の難易度がHDDより上がります。
【SSDのメリット/デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
データ転送速度が速い 小型の製品が多い 動作音が静か(ほぼ無音) 衝撃に強い 発熱・消費電力が少ない | データ復旧が難しい 価格が高い 大容量は特に高い! |
\USB3.2Gen2対応・2mの落下に耐える高耐久モデル/
\買いやすい価格のSSD/
「HDD」のメリット/デメリット
HDD(Hard Disk Drive『ハードディスクドライブ』)の特徴は、大容量でもSSDに比べて安価で、物理的に破損していなければ、データが消えない安心感があります。
気になるところは、SSDと比べてしまうとデータ転送速度が遅く、衝撃や振動で破損しやすい部品があることです。
【HDDのメリット/デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
価格が安い 種類が豊富 長期保管に向いている | データ転送速度が遅い 衝撃に弱い 動作音がする |
\安心の東芝製・ポータブルHDD/
\4TBでも1万円ちょっとで買える/
USBポートによる転送速度を考慮
MacのUSBポートは、USB-C(Thunderbolt)を採用しています。
データ転送や充電はもちろん、外付けディスプレイとの接続もUSB-C端子を持つケーブルで接続します。端子の形状は、USBハブや変換ケーブルなどを利用すれば対応できるので、どれを買っても問題ありません。
Time Machineで使用する、外付けストレージを選ぶ際に意識したいのは、データ転送速度。バックアップは自動なので、転送速度をあまり意識しませんが、復元する際に遅いと待ち時間が長くなってしまいます。
転送速度の違いは下記のとおりです。
規格名 | データ転送速度 |
---|---|
USB1.1 | 12Mbps |
USB2.0 | 480Mbps |
USB3.0 (USB 3.2 Gen 1) | 5Gbps |
USB3.1 (USB 3.2 Gen 2) | 10Gbps |
USB3.2 (USB 3.2 Gen 2×2) | 20Gbps |
USB4 (USB4 Gen 3×1) | 20Gbps |
USB4 (USB4 Gen 3×2) | 40Gbps |
規格名 | データ転送速度 |
---|---|
Thunderbolt | 10Gbps |
Thunderbolt 2 | 20Gbps |
Thunderbolt 3 | 40Gbps |
Thunderbolt 4 | 40Gbps |
種類が多い上に、見た目ではよく分かりません。何に対応しているのか必ず書いてあるので、そこを見て選びましょう。
例:「USB3.1 (Gen 2) 対応」や「Thunderbolt 3 対応」などと書かれているので、購入前に確認してください。
サクサク作業したい方は、なるべく速いものを選びましょう。とはいえ、速いものほど価格が高くなるので悩ましいです。
迷って決められない場合は、USB3.0 (USB 3.2 Gen 1)以上に対応しているものを購入すれば問題ありません。
バックアップ用に使用するなら、Time Machineに対応したものを選ぶと、手間をかけずにすぐに使用できるのでおすすめです。
\Time Machine・USB3.0(Gen1)/USB-C対応で買ってすぐ使える(2TB)/
\Time Machine・USB3.0(Gen1)/USB-C対応(1TB)/
外付けSSD/HDDのフォーマット
Time Machine用の外部ストレージは、バックアップデータ以外、保存しないのが理想です。
Appleの公式サイトにも“Time Machine専用にしてください”と書かれています。
Time Machine のバックアップディスクは、Time Machine バックアップ専用にしてください。ほかのファイルの保管には使いません。
引用:Time Machine で Mac をバックアップする(Apple)
ひとつのディスク内でボリュームを追加し、ストレージの一部をTime Machine用として使うこともできます。しかし、リスク分散の意味でも、拡張用のストレージは、物理的に別のデバイスを用意しましょう。
Appleも“ほかのファイルの保管には使いません”と言ってますしね。
Time Machineに使用する外付けSSDやHDDをフォーマットして、初期設定の準備をしましょう。
外付けストレージをMacに接続してください。
「Launchpad」を開いて「その他」を選択してください。
その他の中にある「ディスクユーティリティ」を起動します。
「表示」をクリックしてください。
「すべてのデバイスを表示」を選択します。
フォーマットしたいディスクを選択し、「消去」をクリックしてください。
- フォーマット:APFS
- 方式:GUIDパーティションマップ
それぞれ選択し、「消去」をクリックしましょう(名前はあとで変更できるので、ここでは無視します)。
消去が完了するのをお待ちください。
ディスクの名前は、ディスクユーティリティでいつでも変更可能です。
変更したいディスクを選択し、名前をクリックすると自由に編集できます。
Time Machineの初期設定
Time Machineの設定をしていきましょう。初期設定だけしてしまえば、自動でバックアップをとってくれるので、ほったらかしでOKです。
メニューバーのTime Machineのアイコンをクリックし、「Time Machine設定を開く」を選択してください。
メニューバーにアイコンがない場合は「システム設定」から「一般」→「Time Machine」と選択し設定画面を開いてください。
「+」をクリックしましょう。
Time Machineに使用するディスクを選択し、「ディスクを設定」をクリックします。
ディスクの設定画面が開きます。紛失したときのために「暗号化」をおすすめします。
暗号化するには、パスワードの設定が必要です。パスワードを忘れたときのために、ヒントも入力しておきましょう。
「ディスク使用率の制限」はTime Machine専用として使用するなら「なし」で構いません。
「完了」をクリックすれば、Tiime Machineの設定は完了です。
Time Machineのデータがあれば、使用中のMacが復元できてしまいます。面倒ですが、暗号化しておきましょう。
ディスクを設定すると、最初のバックアップが作成されます。あとは自動でバックアップが作成(デフォルトでは1時間ごと)されるので安心です。
バックアップが始まらない場合は、手動でバックアップが可能です。
メニューバーのTime Machineのアイコンをクリック→「今すぐバックアップを作成」
または、「システム設定」→「一般」→「Time Machine」→ディスクを右クリック→「今すぐバックアップを作成」
Time Machineの設定を開きます。≫ 開き方はこちら
「オプション」をクリックしましょう。
- バックアップ頻度→自動ではなく、手動へ切り替え or バックアップ頻度の調整
- バッテリー使用時にバックアップを作成する or しない
- バックアップから除外したい「アプリ」「フォルダ」「ファイル」などの設定
それぞれお好みの設定をしたら、「完了」をクリックしましょう。
Time Machineの設定|まとめ
- 外付けストレージを用意して接続する
- ディスクユーティリティを起動する
- 消去する
- フォーマット:APFS
- 方式:GUIDパーティションマップ
「Time Machine」でバックアップを取っておけば、もし大切なMacが故障したり、紛失したりしても復元できるので安心です。
≫ 紛失や盗難の可能性がある場合は、すぐにこちらの対処をしてください。
一部のファイルを手軽に復元できるので、間違えて削除してしまった場合にも有効です。『Time Machineの設定をしてなかった』『Mac新しく買ったよ』という方は、なるべく早く設定してくださいね。
Windowsには「ファイル履歴」というMacのTime Machineに似ている機能があります。『Windowsも使ってるよ』という方はファイル履歴の設定もしておきましょう。