テザリングを使ってリモートワークを試してみました。
ここだけの話、やりたくてやったわけではありません。自宅のインターネットが使えなくなったのが原因です。
ネットが使えなくなった話はこちらをご覧ください。
実際にやってみた結果、問題なく仕事はこなせました。使用した通信量は1日に約2GB。通信容量が少ないプランだと、すぐに制限に達してしまいます。
仕事の内容で通信量は、大きく変わります。この記事では、その辺の条件も含めて詳しく説明しています。
「固定回線がないからテザリングでリモートワークがやりたい」「急にリモートワークをやることになった」という、あなたの参考になればうれしいです。
テザリングでリモートワークは可能か?
「テザリングでリモートワークってどうなの?」と考えているあなたに、結論をお伝えします。
テザリングでリモートワークは可能です。問題ありません。しかし、緊急時以外はおすすめしません。
なぜなら、リモートワークには安定していて、無制限で使用できるインターネット回線がベストだからです。
モバイル回線には、無制限のプランもありますが、実質無制限ではありません。使いすぎると速度制限がかかります。
調べてみると、速度制限も設けていないプランも存在しました。次の2つです。
しかし、このどちらも極端な速度制限がないだけで、何かしら制限がある可能性があります。使ってみないと本当のところは分かりません。
本当に速度制限がないとしても、テザリングはスマホに負担をかけます。故障の可能性やバッテリーの消耗が心配です。
故障はしないとしても、バッテリーは確実に消耗します。
したがって、テザリングでリモートワークを行う場合は、緊急時以外はおすすめできません。
リモートワークには、安定して制限なく使える、光回線がベストです。
テザリングでリモートワークをした環境と業務内容
実際にテザリングでリモートワークをしたときの、環境や業務内容です。
あなたが近い環境や業務内容の場合は、結果も近いものになります。前提条件として、ざっと目を通してみてください。
使用デバイス|通信環境
- iPhone 11
- Windows 11(HP Dragonfly)
- ahamo(4G回線)
- 接続方法は「Wi-Fi」
テザリングには、iPhone 11を使用しました。回線はahamo(4G)です。
Wi-Fiテザリングを使用して、Windows PCに接続し、会社のパソコンにTeamViewerでアクセスして仕事をしました。
≫ iPhoneでテザリングする方法は、こちらをご覧ください。
主な業務内容
- 製品仕様や生産計画の打ち合わせ
- テキストや画像・CADデータでのやり取りがメイン(Chatwork/TeamViewerを使用)
- たまに通話(チャットの通話機能)
- ビデオ通話はほぼしない
- TeamViewerで会社のパソコンに接続して設計・プログラム(CAD/CAM)
- 検図
- 製作資料の作成・管理(Notion・社内サーバー)
- 生産現場・外注先への指示・発注(チャット・メール・電話)
私の仕事をざっくり言うと、メーカーでの設計業務。自宅のパソコンから、会社のパソコンに接続して、CAD/CAMを使う作業がほとんどです。
会社にあるパソコンにアクセスする以外は、自宅のインターネット回線を使うことはあまりありません。
普段はAudible(オーディオブック)を聴きながら、仕事をしています。しかし、テザリング中は通信量が気になるので、無音で作業していました。
自宅のネット回線が必要なのは、次の3つくらいです。
- リモートアクセス(TeamViewer)
- チャットの通話機能
- ファイルの転送・印刷
意外と通信量を消費するのは「印刷」です。自宅のプリンターにデータを転送することになるので、大きい画像を印刷すると、いっきに通信量を消費します。
「自宅のパソコンで画像やPDFを編集」→「会社にあるパソコンやファイルサーバーへ転送」といった作業も通信量の消費が激しいです。
テザリングで仕事をしているときは、通信量を抑えるために、なるべく会社のパソコンで作業するようにしていました。
リモートワークで消費した通信量
前述の内容でリモートワークをした結果は、通信量が「1日に約1GB〜2GB」でした。
意識して通信量を節約しようとすれば、1.5GB以下に抑えられました。
使用量が「1日に1.5GB」だとすると、1か月に20日間働く場合、30GB必要になります。
しかし、通信量を気にしながら作業するのは、ストレスがたまります。
気にせずに作業すると、「1日に約2GB」は消費します。その場合、1か月に40GBは必要になります(20日勤務/月)。
私は本業ではほとんど使いませんが、zoomやGoogle Meetなどのビデオ会議を行うと、通信量がさらに増えます。
また、動画のような大容量ファイルの送受信も通信量を増やします。
私の場合は、リモートアクセスがメインの通信量になるので、1GB〜2GB程度でおさまりました。しかし、自宅のパソコンでクラウドサービスを多用する作業の場合は、より多くの通信量を消費するでしょう。
ビデオ会議の通信量の目安は、こちらの記事が参考になります。
致命的な欠点は上りが遅いこと
モバイル通信は、上りの速度が出ません。
下りも光回線と比べると、物足りないですが、「遅すぎて困る」レベルではありません。上りは遅すぎます。
「上り」とは、送信やアップロード時の速度です。
動画をアップロードしたり、配信したりするような作業は厳しいです。
ビデオ会議も上りの速度が必要なので、高画質でのビデオ会議は支障が出ます。
「画質を落とす」「音声だけにする」といった対策が必要です。画面共有をする場面があると、厳しいかもしれません。
上りが遅いのはテザリングだけでなく、ホームルーターも同様です(コンセントに挿すだけ……っていうやつ)。
やはり、リモートワークには光回線がベストです。
テザリングでリモートワークをやってみた結果|まとめ
結果は、テザリングでもリモートワークは問題なくできます。
しかし、テザリングは緊急時や外出中の一時的な手段としては有効ですが、常にテザリングでリモートワークをするのは、おすすめできません。
リモートワークに使用する回線には以下の条件が必要です。
- 安全なネットワーク
- 通信速度が安定している
- 通信量に制限がない
まず大前提として、安全であることが必要です。
よく分からないフリーWi-Fiには、安易に接続しないようにしましょう。
警戒しすぎても疲れますが、何かあってからでは取り返しのつかないことになる可能性があります。運営元がはっきり分からないWi-Fiの使用は避けましょう。
外出先で安全なインターネット回線が確保できない場合には、テザリングは有効な手段です。
上りが遅いので、動画配信やビデオ会議には向きませんが、問題なく仕事はできます。
ただし、テザリングで使用するモバイル通信は、ほとんど従量課金制です。使いまくると、速度制限がかかったり、課金が必要だったりします。
無制限プランに入っていたとしても、本当に何も制限がないのか確認しておきましょう。
個人的には、リモートワークには光回線がベストだと考えています。
スマホが無制限プランの場合は、テザリンでのリモートワークは非現実的なことではありません。ただし、自宅で自由に使えるネットワークが1種類だけというのは、リスクがあるのを理解しておきましょう。
モバイル回線のみの場合に考えられるリスクは、こちらをご覧ください。
どのような環境が快適と感じるかは人それぞれです。リモートワークをすることになったら、自分に合った料金プラン、インターネット環境を整えましょう。