製造業で職種を変えるメリット。工場からCADオペ→エンジニアへ

製造業で職種を変えるメリット。現場からCADオペ→エンジニアへ_アイキャッチ

製造業で職種を変えるメリットは大きいです。「多能工化」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

一人が一つの作業や工程を担当する「単能工」に対して、一人が複数の業務や工程をこなすのが「多能工」です。同じ業界で職種を変え、経験を積み上げることで、多能工として活躍できます。

製造業であれば、工場でどうやって製品を作るのかを経験し、CADスキルを身につけて専門的な技術力を上げていくと、「現場を知っているエンジニア」として、工場からもエンジニアからも一目置かれる存在になれます。

ちなみに、私は現場で板金加工を経験した後、独学とスクールでCADを勉強し、現在は設計職をしております。
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目次

職種を変えるメリット/デメリット

変える/Change

デメリット|時間がかかる

デメリットは、一つのことではなく複数の業務を人並み、またはそれ以上にできる必要があるため、覚えることが多く成長するのに時間がかかります。

経営者によっては「複数の業務をこなせる優秀な人材」とは評価されずに給与が単能工と変わらない、なんてこともあります。

そんなときは、転職してしまうのが手っ取り早いですが、どうしてもこの会社でやりたいことがある場合は、提案して、出世して、会社を変える必要があります。

しかし、「他人を変えるのは無理」と考えて自分のために、労力と時間を使ってください。

グラント

他人を変えること、会社を変えることよりも、自分が変わること、自分が成長することに集中しましょう。

時間以外にもう一つ、大きなデメリットがあります。それは、異動や転職によるストレスです。

人間は環境が変わるとストレスを感じます。職場が変わると、人間関係も新たに構築することになります。しかも、仕事の内容も変わるとなれば、想像しただけで嫌になりますね。

しかし、そのストレスを乗り越えた先に成長があります。『変わりたい』『成長したい』と考えているあなたにとって、このストレスはデメリットではなく、大きなメリットになります。

メリット|スキルの幅が広がる

職種を変えて多能工になるメリットは、複数の業務をこなせるため、同僚からも経営層からも信頼される存在になれることです。

私の経験では、社内に多能工が少ないと、経営者や上司からは便利屋さん扱いされて、仕事量が増える傾向があります……しかし、多能工が少数の会社ではチャンスも多いです。なぜかというと、

  1. 多能工として活躍する
  2. 出世する
  3. 収入が増える

この流れに乗れる可能性が非常に大きくなります。

グラント

多能工は複数の業務を経験しているため、自然とマネジメント能力が身に付き、リーダー職につける確率が高くなります。

出世する以外にも、一見まったく関係ないように見える職種へ変更すると、いい意味で人生が変わる可能性があります。

製造業(メーカー)には、技術職・技能職だけではなく、マーケティングや営業など、作ったものを売る仕事もあります。実際に現場で作ったり設計したりした経験は、製品への理解度が深いので、売る仕事にも生きてきます。

仕組み作りや管理職の経験を積んだ場合には、そこから「製造業向けコンサル」への道も開けてきます。

もしコンサル業界に興味があるのであれば、今がチャンスです。製造業向けコンサルティングの求人が増加しています。

製造業コンサルの求人が増えている
出典:コトラ

コンサル業界は、給与水準が高いため、ガツンと収入を増やしたいあなたにおすすめの業界です。

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専門性を高めるのもカッコいいですが、スキルの幅を広げながら異動や転職をすると、「この仕事がなくなったらどうしょう……」といった、不安から逃れることが可能です。

経験は確実に力になる|焦らず行動していけば道は開ける

道は開ける

一つのことに特化して専門職として活躍する道もいいですが、いろいろ経験して多くのスキルの身につけることで歩める道もあります。

今の状況(仕事内容や環境)に不満があっても、今やっていることを身につけて次に生かせるように行動していけば、確実に道は開けます。

私は現場で加工を経験してからCADを勉強し、同じ社内で加工とCAD/CAMを経験。やったことのない加工方法を経験できる会社へ転職し、独学で3D CAD(SOLIDWORKS)の勉強をしてから転職して、設計職に就きました。

現場で加工を経験してから設計をしているため、「加工する人の気持ちがわかる」「どうすればより速く、より良いものができるのか選択できる」ので、同じ設計職の人や現場の生産担当者からよく相談される立場になっています。

現場経験があるため、設備や金型の選定など生産技術のようなこともやれてしまいます。

工場で加工を経験してからCADオペや設計職に就くのはおすすめです。

収入も増えることが多いです。転職サイトで設計職などの技術職と、現場の技能工の推定年収を調べてみると、どのくらい収入の差があるのかわかります。

まとめ|多能工を目指して収入アップ

現在の収入に満足していなくて「一つの作業や工程を担当している」「一つの職種しか経験していない」なら、多能工を目指しましょう。社内での異動ならリスクはほとんどありません。

「異動願いを出してもそう簡単に通らないよ〜」なんて場合は、少しずつでいいので、次のことをやってみてください。

  • 勉強して「こんなこと勉強してます」「こんなことできます」アピールをしてみる。
  • 今もっているスキルを生かしつつ、新しいことに挑戦できそうな職場を探す。

何も行動せずに毎日を過ごしていると、大きく収入を上げるのは難しい時代です。過去の自分が、毎年いくら収入が上がったのかを見直してみると、「このままでいいのか?」「行動すべきか?」の判断ができるでしょう。

他に挑戦したい仕事があるならやらない理由はありません。行動してスキルアップ・収入アップを目指しましょう。

グラント
板金設計/筐体設計・板金加工歴17年の現役エンジニアです。

精密機器メーカー → FA機器メーカー → 加工メーカー×2 → 現在は、装置メーカー(プラント関係)にて、設計やモデリング・製図・NCデータの作成を主にやっています。

メインツールは『SOLIDWORKS/SheetWorks』

製造業で働く皆なさまが、収入アップを実現できるように、当サイト【グラント】を運営。
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