よく使う単語を辞書登録しておくと、一発変換できるようになるので便利ですよね。
単語以外にも、メールアドレスなどのように、頻繁に使うけど、打つのが面倒な文字列を登録しておくのにも使えます。
そんな便利な「ユーザー辞書」ですが、入力方式を変更すると、今まで使っていた辞書は使えません。
かといって、いちいち手入力するのは面倒……
よくあるパターンが、Google日本語入力を使う場合です。
『今まで使っていた、WindowsやMac標準のIMEに登録していた辞書を→Google日本語入力の辞書に登録したい』またはその逆。『Google日本語入力から→標準の辞書に登録したい』
- 「Microsoft IMEの辞書」⇄「Google日本語入力の辞書」
- 「Mac標準のIMEの辞書」⇄「Google日本語入力の辞書」
これらはすべてエクスポート・インポートが可能です。手入力する必要はありません。
ここでは、すべてのパターンについて解説しています。
「必要な部分だけ読みたい」という場合は、目次から飛んでください。
この記事は、「Google日本語入力がインストールされていること」を前提に記述しています。
Google日本語入力のインストールと設定は、こちらをご覧ください。
Microsoft IME(Windows標準)→Google日本語入力
Windows標準の「Microsoft IME」から、「Google日本語入力」のユーザー辞書へ移行する方法です。
手順リスト
- 「Windows(ロゴ/スタート)」+「スペース」キーを押して、Google日本語入力にする
- タスクバーの「A」または「あ」を右クリック
- 「辞書ツール」をクリック
- 「管理」→「Microsoft IMEのユーザ辞書をインポート」
- 「インポートします」と表示される→「OK」をクリック
- 登録数が表示される→「OK」をクリック
- インポートした辞書を開いて、文字化けしているものがあれば修正する
「Windows(ロゴ/スタート)」+「スペース」キーを押して、入力方式を「Google日本語入力」に切り替えてください。
タスクバーの通知領域から「A」または「あ」を右クリックして、「辞書ツール」を選択します。
「管理」をクリックして、「Microsoft IMEのユーザ辞書をインポート」を選択しましょう。
ダイアログが開いたら「OK」をクリックしてください。
インポート結果が表示されます。「OK」をクリックします。
インポートした辞書を確認してください。文字化けしているものがあれば、修正しましょう。
Google日本語入力→Microsoft IME(Windows標準)
「Google日本語入力」から、Windows標準の「Microsoft IME」にユーザー辞書を移行します。
手順リスト
- 「Windows(ロゴ/スタート)」+「スペース」キーを押して、Google日本語入力にする
- タスクバーの「A」または「あ」を右クリック
- 「辞書ツール」をクリック
- エクスポートしたい辞書を選択
- 「管理」→「選択した辞書をエクスポート」をクリック
- ファイル名を入力して、分かりやすい場所に保存する(デスクトップなど)
- 「辞書のエクスポートが完了しました」と表示されたら「OK」
- 保存したファイルを「メモ帳」で開く
- 「エンコード」を「ANSI」に変更して保存する
- 「Windows()」+「スペース」キーを押して、Microsoft IMEにする
- 「A」または「あ」を右クリック(表示されていない場合は、デスクトップやテキストボックスなどをクリック)
- 「単語の追加」をクリック
- 「ユーザー辞書ツール」をクリック
- 「ツール」→「テキストファイルからの登録」をクリック
- ⑨で保存した「テキストファイル(.txt)」を開く
- 登録個数と失敗個数が表示される→「終了」をクリック
- 「ユーザー辞書ツール」を開いて、文字化けしているものがあれば修正する
「Windows(ロゴ)」+「スペース」キーを押して、入力方式を「Google日本語入力」に切り替えてください。
タスクバーの通知領域から「A」または「あ」を右クリックして、「辞書ツール」を選択します。
「Microsoft IMEに移行したい辞書」を選択しましょう。
「管理」をクリックして、「選択した辞書をエクスポート」を選択してください。
「ファイル名」を入力して、分かりやすい場所へ「保存」します(ここではデスクトップへ保存)。
ダイアログは「OK」ボタンをクリックしましょう。
保存したファイルを「メモ帳」アプリで開きます。
Windowsのデフォルト設定では、テキストファイルをダブルクリックすると、「メモ帳」で開きます。
メモ帳以外のアプリで開いてしまう場合は、「ファイルを右クリック」→「プロブラムから開く」→「メモ帳」で開きましょう。
「ファイル」をクリックして、「名前をつけて保存」を選択してください。
「エンコード」(Windows 10では「文字コード」)を「ANSI」に変更して、「保存」をクリックします。
Google日本語入力からエクスポートしたファイル(UTF-8)は、必要ないので、ファイル名を変えずに上書き保存しましょう(「はい」をクリック)。
「Windows(ロゴ/スタート)」+「スペース」キーを押して、入力方式を「Microsoft IME」に切り替えてください。
タスクバーの通知領域から「A」または「あ」を右クリックして、「単語の追加」を選択します。
「ユーザー辞書ツール」をクリックしましょう。
「ツール」をクリックして、「テキストファイルからの登録」を選択してください。
先ほど保存した、「テキストファイル(.txt)」を開きます。
「登録個数」と「失敗個数」が表示されます。
失敗しているものあるが場合は、「エラーログの出力」をしておきましょう。何が失敗したのか確認できるので、後で手動で登録する際に役立ちます。
「終了」をクリックしてダイアログを閉じてください。
Mac(標準の日本語入力)→Google日本語入力
「Mac標準の日本語入力」から、「Google日本語入力」のユーザー辞書へ移行する方法です。
手順リスト
- メニューバーの「A」または「あ」をクリック
- 「ユーザー辞書を編集」を選択
- 登録してある辞書を「すべて選択」(「Command」+「A」キーを押下)
- デスクトップにドラッグして、「.plist」ファイルを作成
- 「.plist」を「.txt」に変換(「U-Dict」を使う)
- 「U-Dict」をダウンロード
- ダウンロードフォルダの「.zip」ファイルをダブルクリックで展開
- 今後も使う予定があれば、「アプリケーション」フォルダへ移動(めったに使わないので、後で削除するなら移動しなくてOK)
- 「U-dict」を右クリック→「開く」で起動
- 「このソフトウェアは開けません」と言われるけど、「開く」で開ける
- ④でデスクトップにエクスポートした「.plist」ファイルをダブルクリック、または「.plist」ファイルを右クリック→「このアプリケーションで開く」→「U-Dict」
- 「Command」+「S」または「ファイル」→「保存」
- 次の条件で保存する
- 形式:標準テキスト
- 区切り文字:カンマ (macOS)
- エンコーディング:Unicode (UTF-8)
- 場所は分かりやすい場所を指定(例:デスクトップ)
- メニューバーの「A」または「あ」をクリック
- 「ひらがな (Google)」を選択
- メニューバーの「あ」をクリック
- 「辞書ツール」を選択
- 「管理」→「選択した辞書にインポート or 新規辞書にインポート」
- 「ファイルを選択」をクリック
- ⑧で保存した、「テキストファイル(.txt)」を開く
- 「フォーマット」「エンコード」は自動判別で問題ない→「インポート」をクリック
- ダイアログを「OK」を押して閉じる
- 辞書を確認して、文字化けしていたら修正する
メニューバーの右上にある「A」または「あ」をクリックして、「ユーザー辞書を編集」を選択してください。
ユーザー辞書をすべて選択してください。辞書のウインドウをクリックして、「Command」+「A」キーを押すと、すべて選択できます。
デスクトップへドラッグして「ユーザ辞書.plist」を作成しましょう。
エクスポートした「.plist」ファイルを、「Google日本語入力」用のファイルに変換します。
ここでは、「U-Dict」を使用します。次のサイトにアクセスしてダウンロードしてください。
※インターネットからダウンロードしたアプリは、絶対に安全という保証はありません。使用の際は自己責任でお願いします。
ダウンロードしたファイル(.zip)を、ダブルクリックして展開しましょう(「ダウンロード」フォルダにあります)。
「U-Dict.app」を右クリックして、「開く」を選択します。
「開く」をクリックしてください。
先ほどエクスポートした「ユーザ辞書.plist」をダブルクリックしましょう。
ダブルクリックしても「U-Dict」で開けない場合は、「右クリック」→「このアプリケーションで開く」→「U-Dict」で開いてください。
「Command」+「S」または「ファイル」→「保存」でユーザ辞書を保存します。
「場所」は分かりやすい場所を選択して(例:デスクトップ)、次の条件で保存してください。
- 形式:標準テキスト
- 区切り文字:カンマ (macOS)
- Unicode (UTF-8)
メニューバーの「A」または「あ」をクリックして、「ひらがな (Google)」を選択します。
もう一度、メニューバーの「あ」をクリックして、「辞書ツール」を開きましょう。
「管理」をクリックして、「選択した辞書にインポート」を選択してください。
先ほどテキストファイル(.txt)に変換した「ユーザ辞書」を開きます。
「インポート」をクリックしましょう(フォーマット・エンコードは「自動判定」でOK)。
ダイアログを「OK」をクリックして閉じます。
インポートした辞書に問題がないか確認しましょう。文字化けしているようだったら修正してください。
Google日本語入力→Mac(標準の日本語入力)
「Google日本語入力」から、「Mac標準の日本語入力」へユーザー辞書を移行します。
手順リスト
- メニューバーの「A」または「あ」をクリック
- 「ひらがな (Google)」を選択
- メニューバーの「あ」をクリック
- 「辞書ツール」を開く
- 移行したい辞書をクリックして選択
- 「管理」→「選択した辞書をエクスポート」をクリック
- ファイル名を入力して、分かりやすい場所に保存する(デスクトップなど)
- ダイアログを「OK」を押して閉じる
- 「.txt」を「.plist」に変換(「U-Dict」を使う)
- 「U-Dict」をダウンロード
- ダウンロードフォルダの「.zip」ファイルをダブルクリックで展開
- 今後も使う予定があれば、「アプリケーション」フォルダへ移動(めったに使わないので、後で削除するなら移動しなくてOK)
- 「U-dict」を右クリック「開く」で起動
- 「このソフトウェアは開けません」と言われるけど、「開く」で開ける
- ⑦で保存した「テキストファイル(.txt)」を右クリック
- 「このアプリケーションで開く」→「U-Dict」を選択
- 「品詞名を変換してください」とダイアログが開く(親切)→「OK」をクリックして閉じる
- メニューバーの「編集」→「品詞名の変換」を選択
- 「Google > macOS」のボタンを押して品詞名を変換→「閉じる」をクリック
- 「Command」+「S」または「ファイル」→「保存」
- 場所は分かりやすいところを指定(例:デスクトップ)
- 「形式:プロパティリスト (*.plist)」を選択して「保存」
- メニューバーの「A」または「あ」をクリック
- 「ユーザー辞書を編集」を選択
- 「ユーザー辞書」のウインドウに⑰で保存した、「.plist」ファイルをドラッグ&ドロップ
- Mac標準のユーザー辞書に登録される
- Macの辞書はiPhoneとも自動で同期される(便利)
メニューバーの「A」または「あ」をクリックして、「ひらがな (Google)」を選択します。
もう一度、メニューバーの「あ」をクリックして、「辞書ツール」を開きましょう。
「Mac標準の日本語入力に移行したい辞書」を選択してください(エクポートする辞書を選択)。
「管理」をクリックして、「選択した辞書をエクスポート」を選択します。
「名前を入力」して、分かりやすい場所を指定したら(例:デスクトップ)、「保存」をクリックしましょう。
ダイアログを「OK」をクリックして閉じます。
エクスポートした「テキストファイル(.txt)」を、「Mac標準の日本語入力」用のファイルに変換します。
ここでは、「U-Dict」を使用します。次のサイトにアクセスしてダウンロードしてください。
※インターネットからダウンロードしたアプリは、絶対に安全という保証はありません。使用の際は自己責任でお願いします。
ダウンロードしたファイル(.zip)を、ダブルクリックして展開しましょう(「ダウンロード」フォルダにあります)。
「U-Dict.app」を右クリックして、「開く」を選択します。
「開く」をクリックしてください。
「U-Dict」が開いたら、先ほど、Google日本語入力からエクスポートした「テキストファイル(.txt)」を右クリックしてください。
「このアプリケーションで開く」をクリックして、「U-Dict」を選択しましょう。
品詞を変換するように案内が表示されます。「OK」をクリックして、閉じます。
メニューバーの「編集」をクリックして、「品詞名の変換」を選択してください。
「Google > macOS」をクリックしてから、「閉じる」をクリックしましょう。
品詞の変換結果を確認してください。
「Command」+「S」または「ファイル」→「保存」でユーザ辞書を保存します。
分かりやすい場所を指定します(例:デスクトップ)。「形式」は「プロパティリスト (*.plist)」を選択して「保存」をクリックしましょう。
メニューバーの右上にある「A」または「あ」をクリックして、「ユーザー辞書を編集」を選択してください。
先ほど、「変換したファイル(.plist)」を、辞書のウインドウへドラッグしてください。
すでに辞書登録されていても、追加が可能です。
辞書を移行|まとめ
この記事では、次のパターンの辞書を移行する方法を解説しました。
- Microsoft IMEの辞書 ⇄ Google日本語入力の辞書
- Mac標準のIMEの辞書 ⇄ Google日本語入力の辞書
ここで解説していることを応用すれば、WindowsからMacに乗り換えた際に、Windowsで使っていた辞書をMacに移行することも、その逆も可能です。
基本的には、移行したい辞書をエクスポートして、使いたいIMEの辞書にインポートするだけなので、難しくありません。
パソコン操作に慣れている方は、「手順」を読むだけでできてしまうかと思います。
Macの辞書の変換は、ここで紹介した「U-Dict」以外の変換ソフトも使ってみましたが、ファイル形式の変換~品詞の一括変換まで、一つのアプリで完結するものは、ほかに見つかりませんでした。
「U-Dict」がなかったら、こんなに簡単にMacの辞書は移行できません。私も含めて、ほとんどの人が諦めることになりそうです。
「U-Dict」の開発者様には、深く感謝申し上げます。
U-Dictが公開されている「長靴編集所」にはU-Dict以外にも、macOS用の無料アプリが公開されているので、気になるものがあれば使ってみてください。