Macでファイルを復元するには、ゴミ箱に入れたファイルは元に戻すだけ、Time Machineにファイルがあれば復元するだけです。
バックアップが作成されているファイルやアプリは、Time Machineで簡単に復元が可能です。ゴミ箱から消えても、Time Machineでゴミ箱に入れる前の状態に復元できます。Time Machineを正しく設定していれば安心ですね。
≫ Time Machineの設定はこちらを参照
しかし、下記のような場合は復元できません。
- ゴミ箱から削除したファイルのバックアップが、作成されていなかった。
- Time Machineのデータが消えてしまった。
- Time Machineの設定をしていなかった。
このような場合は、「データ復元ソフトを利用するか」「データ復旧業者にお願いするか」の2択になります。
データを復元したい場合は、なるべく早く行動することが大切です。削除した部分に上書きされてしまうと復元が難しくなります。
データを復元したい場合は、復旧作業を優先しましょう。
データ復元ソフトは多数存在し、フリーソフトもあります。無料のソフトでも復元できる可能性はありますが、有料のソフトをおすすめします。
すべてとは言いませんが、フリーソフトの多くは信頼性が低いです。フリーソフトで復旧作業をすると事態を悪化させる可能性がありますし、分からないことがあってもサポートを受けられません。
タダより怖いものはありません。
この記事では「4DDiG」というソフトを使い、下記の2つの状況で、データが復元できるかテストした結果を記載しています。
- ゴミ箱から消したファイルは復元できるのか?
- Time Machineのデータは復元できるのか?
結論としては復元できます。データ復元ソフトを利用しようか迷っているなら、ぜひテスト結果を参考にしてください。
【4DDiG】のインストール方法
4DDiG(フォーディーディグ)をインストールしていきます。
無料でどこまでできるかテストするため、無料版をインストールします。「4DDiG」のサイトにアクセスし、無料ダウンロードボタン(macOS用)をクリックします。
≫ 4DDiGの公式サイトへ
Finderの「ダウンロード」フォルダ内にある「4ddig-for-mac」をダブルクリックしましょう。
ドラッグして「アプリケーション」フォルダへ移動します。
ダイアログが表示される場合は「開く」をクリックしてください。
パスワードを入力して「OK」ボタンをクリックしましょう。
インストールが完了するとブラウザが開き、クイックスタートガイドが表示されます(親切)。
必須ではありませんが、復元作業をする前に「フルディスクアクセス」を「オン」にしましょう。フルディスクアクセスを許可すると、スキャンの際にアクセス許可が必要ないので煩わしさが減ります。
メニューバーのアップルアイコンから「システム設定」を選択してください。
サイドバーの「プライバシーとセキュリティ」から「フルディスクアクセス」を選択しましょう。
「Tenorshare 4DDiG」を「オン」にしてください。
インストール作業は以上です。
ゴミ箱から消えたファイルを復元
今回はテスト用に画像と3Dモデルを用意しました。手順は以下のとおりです。
- 画像と3Dモデルをゴミ箱へ入れる。
- ゴミ箱から削除する。
- 4DDiGで復元する。
ゴミ箱にある2つのファイルを削除します。
ゴミ箱から削除しました(今日ゴミ箱に入れたファイルはなし)。
4DDiGを起動します。ダイアログが表示される場合は「開く」をクリックして、パスワードを入力してください。
サイドバーの「データ復元」からスキャンしたいディスクの、右下をクリックしてスキャンを開始します。
すべてのファイルをスキャンすると時間がかかるので、復元したいファイルのフィルタリングができます。今回は[jpg]と[step]を復元したいので、「写真」と「他の」をスキャンしました。
アクセスを許可するか聞かれたらすべて「OK」をクリックしてください。
スキャンは2〜3分程度で終了。結果、611320個のファイルが見つかりました。
スキャンが終了すると、ヒントが表示されます(親切)。「OK」ボタンをクリックしましょう。
スキャン結果が表示されます。ここから復元したいファイルを探しましょう。
検索機能があるので、ファイル名が分かっていれば検索するのが早くて簡単です。ファイル名が分からない場合は、フィルタ機能を使って復元したいファイルを絞り込めます。
- ファイルタイプ
- 写真
- ビデオ
- オーディオ
- ドキュメント
- メール
- Webファイル
- 圧縮ファイル
- その他
- 拡張子なし
- ファイルサイズ
- 0~512KB
- 512KB~1MB
- 1MB~10MB
- 10MB~100MB
- 100MB~500MB
- 500MB~1GB
- 1GB~
- 最終更新日時
- 過去24時間
- 過去7日間
- 過去30日間
- カスタマイズ(任意に範囲を指定)
今回は、ファイル名が分かっているため検索機能を使いました。復元したいファイルにチェックをいれて「復元」ボタンをクリックします。
無料版はここまで。復元したい場合は「今すぐ購入」ボタンから購入するか、すでに購入済みの場合は「製品版」をクリックして登録を済ませましょう。
≫ ライセンスの登録方法はこちらを参照
「復元」ボタンをクリックしたら、保存先を指定しましょう。今回はデスクトップに保存します。
復元が完了すると、ダイアログが表示されます。「復元されたファイルを表示する」をクリックして、復元先に移動しましょう。
指定した先に「Tenorshare 4DDiG」というフォルダが作成されます。この中に復元したファイルが入っています。
画像と3Dモデルを復元して開いてみました。
問題なく開くことができました。
Time Machineから消えたファイルを復元
外付けストレージに保存している、Time Machineのデータが復元できるか試してみましょう。
前項の「ゴミ箱からの復元」との違いは、Time Machineのデータが保存されている場所をスキャンするだけです。
今回は下記の2つのパターンをテストしました。
- 一部のデータを削除 → 復元
- Time Machineを新規作成 → フォーマット → 復元
結果は、復元できました。
復元したデータを利用して、Macを復元するようなことはできませんでした(Time Machine用のディスクに戻せない)。データ自体は復元できるので、専門家へ依頼すればMacの復元も可能かもしれません。
Time Machine内に残っていた画像や動画などは復元できます。
Time Machineのデータを間違えて削除するようなミスは、そうそう起きるようなことではありません。
使い方としては、Time Machineの復元よりも、外付けのHDDやSSDで、容量を拡張しているような場合に便利です。誤って削除してしまったり、フォーマットしたりしても、手軽に復元できるので安心感があります。
Time Machineの容量が足りなくなった場合は、削除するのではなく、外付けストレージを新しく用意するのが現実的です。Appleも下記のように“新しいバックアップディスクを接続する”と言っています。
空き領域がなくなったときは、新しいバックアップディスクを接続することをお勧めします。新しいディスクを接続したら、Time Machine設定を開き、Time Machineバックアップディスクとしてそのディスクを選択します。
引用:MacのTime Machineバックアップディスクがいっぱいになった場合(Apple)
データ復元ソフト【4DDiG】の特徴
4DDiGは直感的な操作で、手軽にデータの復元が可能です。しかも動作が軽く、サクサク動いてくれます。1000を超えるさまざまな種類のデータを回復できるので、「復元したいデータがサポートされてなかった……」といったことはほぼありません。
価格は月額9,860円〜と安くはありませんが、セールが行われていることが多いので公式サイトをご確認ください。
≫ Mac版の価格を見る
≫ Windows版の価格を見る
4DDiGの機能
無料でできるのはスキャンとプレビューまで。復元や修復はライセンスの購入が必要です。分からないことやトラブルがあっても、無料サポートがあるので安心です。
できること | 無料版 | 有料版 |
---|---|---|
消えたファイルのスキャン | ||
復元前にプレビュー | ||
ファイルの復元 | ||
フォーマットしたドライブの復元 | ||
パーティションの復元 | ||
クラッシュしたパソコンからデータを復元 | ||
動画の修復 | ||
画像の修復 |
システム要件
この記事ではMacでテストしましたが、Windowsにも対応しています。詳しい動作環境は以下のとおりです。
OS | Windows 7以降 | macOS 10.12以降 |
CPU | 1GHz以上 | 1GHz以上 |
RAM (メモリ) | 512MB以上 | 512MB以上 |
ディスク空き容量 | 200MB以上 | 200MB以上 |
ファイルシステム | FAT16/FAT32/exFAT/NTFS/ReFS | APFS/HFS+/FAT32/exFAT/NTFS |
相当古いパソコンを使っていなければ、大丈夫そうですね。
Macのデータ復元方法|まとめ
実際に4DDiGを使ってみて、下記のようなときに有効なソフトだと感じました。
- 必要なファイルをゴミ箱に入れて、ゴミ箱を空にしてしまった。
- 外付けストレージに保存していたデータを、誤って削除してしまった。
このあたりのミスを、よくやらかしてしまう人には有効です。復元できるかどうかのスキャンまでは、無料でできるので『必要なデータを失ってしまったときに、復元可能なら購入する』といった使い方も良いかと思います。
今回は100%復元できましたが、毎回100%成功するとは限りません。復元できる確率を上げるコツは、必要なデータを失ったことに気づいたら、すぐに復旧作業をすることです。
『あとで復元しよう』と考えて、他の作業を進めてしまうと、復元できたはずのデータに上書きされて、復元できなくなります。復元したいデータがあるなら、すぐにでも復元できるかスキャンしてみましょう。
≫ 4DDiGのダウンロードはこちら(Mac)
復元手順が解説されている動画があるので、合わせて参考にしてください。↓