【関係式】を使って効率化

SOLIDWOKSでは関係式を使うと1ヶ所の変更で、複数のフィーチャーを自動で変更する事ができます。

例えば

  • 長さが変わっても等分した位置に穴を配置したい。
  • 設計変更後も違うフィーチャーどうしの寸法を常に同じにしたい。

など汎用性の高い部品に関係式を追加しておくと後々、楽ができます。
※この記事はスケッチ編集を問題無くできることを前提に記述しています。

目次

ブラケットをモデリング

例として下の画像のブラケットをモデリングします。
この例では皿穴の位置を

  1. 大きさを変えると穴位置が自動で変わる
  2. 一つの穴位置を変えると複数の穴位置も自動で変わる

この二つを確認してください。

ブラケット(関係式)

薄板フィーチャーを押し出し

STEP
スケッチ編集

右側面にスケッチ編集します。

右側面にスケッチ編集

直線コマンドで直線を2本描き、それぞれスマート寸法で寸法を追加します。

  • 原点から上へ鉛直に、長さ80mm
  • 原点から左へ水平に、長さ100mm
直線を2本描く
STEP
押し出しボス/ベース

フィーチャータブに切り替えて、押し出しボス/ベースを選択します。

フィーチャータブから押し出しボス/ベース
  1. 方向1で中間平面を選択
  2. 深さを150mm
  3. 薄板フィーチャーのチェックボックスにチェック
  4. 片側(内側)に押し出し *グラフィック領域のプレビューで確認してください。
  5. 厚さを3mm
  6. 自動フィレットコーナーのチェックボックスにチェック
  7. Rを3mm
  8. OKボタンOK」ボタンをクリック
ボスー押し出し、薄板フィーチャー

名前を【Bracket】として保存をしておきましょう。
ここから先はこまめに保存しながら進めましょう。

穴ウィザードで皿穴を追加

STEP
穴ウィザードのプロパティ

フィーチャータブの「穴ウィザード」を選択してください。

穴ウィザード
  1. 穴タイプ:皿穴
  2. 規格:JIS
  3. サイズ:M4
  4. 押し出し状態:次サーフェスまで

それぞれ選択しておきます。

穴ウイザードのプロパティ
STEP
グラフィック領域に挿入

位置タブに切り替えてグラフィック領域の内側、下の面をクリックします。

穴の位置を選択

面をクリックして下の画像のように穴を3個挿入します。
終わったらOKボタンOK」ボタンをクリックしましょう。

下側に皿穴追加

同様の流れでもう一つの立ち上がりの面にも穴を3個挿入します。

立ち上がりに皿穴追加
STEP
寸法と拘束を追加

まずは下側の皿穴に寸法と拘束を追加します。

デザインツリーに『M4 平皿頭ねじ用皿穴』というフィーチャーが二つ追加されています。
この記事のとおりに進んでいれば『M4 平皿頭ねじ用皿穴1』が下側です。

M4 平皿頭ねじ用皿穴1』の位置を変えられるスケッチ(点のスケッチ)を編集します。
編集するスケッチをクリックして「スケッチ編集」を選択してください。

皿穴をスケッチ編集

下の画像のように寸法を追加してください。
さらに左側の二つの点は鉛直の拘束を追加します。

下面の皿穴寸法
拘束の追加
  1. [Ctrl]キーを押しながら拘束を追加する「二つの点」をクリック
  2. グラフィック領域に表示されるメニューで「鉛直アイコン」をクリック
    (または、左側のPropertyManagerの『拘束関係追加』で「鉛直」を選択してOKボタンOK」ボタンをクリック)
点に鉛直拘束の追加

寸法と拘束の追加が終わったら「スケッチ終了」をクリックします。

次は立ち上がりの面にも下の画像のように寸法と拘束を追加してください。
『M4 平皿頭ねじ用皿穴2』の点をスケッチ編集します。

立ち上がりの皿穴寸法
STEP
ミラー

フィーチャータブからミラーを選択してください。

フィーチャータブ、ミラー

グラフィック領域左上の『Bracket』の左の三角をクリックして履歴を表示させてください。

  1. ミラー面/平面をアクティブ(水色)にして「右側面」を選択
  2. ミラーコピーするフィーチャーをアクティブにして「M4 平皿頭ねじ用皿穴」を二つとも追加

アクティブにするには対象のボックスをクリックしてください。

皿穴のミラー

OKボタンOK」ボタンをクリックしてミラーを完了させます。

関係式の追加

STEP
関係式コマンド

『M4 平皿頭ねじ用皿穴2』の寸法を追加したスケッチを「スケッチ編集」にしてください。

関係式の前にスケッチ編集

その後に「関係式」コマンドを選択してください。

『ツール』のツールバーが表示されていれば関係式のコマンドアイコン[]があります。

表示されていなければメニューバーから『ツール → 関係式』
または右上のコマンド検索に「関係式」と入力して関係式を選択してください。

ツールバーから関係式
ツールバーから関係式
STEP
順次指定ビュー

『関係式、グローバル変数、寸法』というウインドウが開きます。
その中の「順次指定ビュー」のアイコンをクリックしてください。

順次指定ビュー
STEP
皿穴の関係式を追加

もう一つの皿穴「M4 平皿頭ねじ用皿穴1」の寸法を追加した「スケッチ」をクリックして寸法を表示させましょう。

もう一つのスケッチを表示

関係式の追加」をクリックしてください。

関係式の追加

グラフィック領域の「上の左側から20の寸法」をクリックし、「下の左から20の寸法」をクリックします。
二つのスケッチが=(イコール)という式になります。
OKボタンが表示されるのでクリックしてください。

イコールの関係式

評価結果に20mmと表示されることを確認してください。

STEP
薄板フィーチャーとの関係式の追加

次はデザインツリーの「押し出しー薄板1」をクリックして寸法を表示させましょう。
もう一度「関係式の追加」をクリックします。

押し出しー薄板との関係式

40」→「80」と寸法をそれぞれクリックしましょう。
今回は『値/関係式』の後ろの部分に[/2]を追記してください。
OKボタンをクリックすると評価結果が40mmになります。

80/2の関係式

関係式の追加」をクリックします。
次は「50」→「150」と寸法をそれぞれクリックしてください。
『値/関係式』の後ろの部分に[/3]を追記します。
OKボタンをクリックすると今回は評価結果が50mmになります。

150/3の関係式

OK」ボタンをクリックしてください。
スケッチ編集中になっているので「スケッチ終了」をクリックします。

STEP
もう一つのスケッチに関係式の追加

関係式の追加に慣れてきたでしょうか?
次は「M4 平皿頭ねじ用皿穴1」の寸法を追加したスケッチを「スケッチ編集」にしてください。

皿穴をスケッチ編集
  1. 関係式」コマンドを選択
  2. 押し出しー薄板1」をクリックして寸法を表示
  3. 関係式の追加」をクリック
  4. Z方向の寸法「50」→「100」とクリック
  5. 『値/関係式』の後ろの部分に[/2]を追記
  6. OKボタンをクリック
100/2の関係式
  1. 関係式の追加」をクリック
  2. X方向の「50」→「150」をクリック
  3. 『値/関係式』の後ろの部分に[/3]を追記
  4. OKボタンをクリック
  5. OK」ボタンをクリックして関係式を閉じ、「スケッチ終了
150/3の関係式2

寸法を変更する

寸法を変更して関係式のとおりに寸法が変化するかを確認してみましょう。
下の画像のように変更してみました。
(赤い数字が元の寸法です。)

寸法を変更してみる

すると下の画像のように自動で寸法が変化します。

変更後
変更後

[/2]の関係式を追加したところは1/2の寸法に、[/3]の関係式を追加したところは1/3の寸法に変化しています。
最初に=(イコール)で関係式の追加をした部分は、関係式のアイコンが付いていない方を変更するともう一つの寸法も自動で変更後の寸法に変わります。

関係式のとおりに寸法が変更されていれば成功です。
お疲れ様でした。

便利な関係式の使い方

関係式は上記で紹介した以外にも、様々な機能があります。使い方次第で、設計を自動化・設計ミスの予防ができるので、時間のあるときにいろいろ試してみてください。

ここからは『ちょっと物足りない』という、あなたのために、私がよくやっている関係式の使い方をご紹介します。

グローバル変数

私は板金部品を設計することが多いので、『板厚に対して〇〇』といった寸法の決め方をすることが頻繁にあります。

そんなときに便利なのが「グローバル変数」です。

STEP
板厚が一定ではない板金部品

L字の部品を、板厚3mmの板金に変換したモデルを描いてみました。しかし、板厚が一定になっておらず、板金部品としてはおかしなモデルです。

グローバル変数を使って直していきます。
※SheetWorksの「板金属性定義」で定義した板厚も”厚み”として認識します。

板厚が一定ではない、L字の板金部品
STEP
内Rを板厚と同じにする

内Rのフィレット寸法を変更します。

フィレットを「フィーチャー編集」またはグラフィック領域内の「寸法をダブルクリック」して、寸法を変更しましょう。

変更する寸法に「=」(半角)を入力し、「グローバル変数」→「厚み」を選択ましょう。

内Rを変更→寸法に=を入力→グローバル変数→厚み

OKボタンOK」ボタンをクリックすると、板厚と同じ寸法になります。

OKボタンをクリックすると、板厚と同じ寸法になる
STEP
外Rを板厚の2倍にする

外Rを板厚の2倍(ir+t)の値にします。

「STEP2」までと同様に、

  1. 「=」を入力
  2. グローバル変数」を選択
  3. 厚み」をクリック

「”厚み”」の後に「*2」を入力してください。

厚みに「*2」を追記する

板厚が一定の板金モデルに直せました。

この方法を使うと、板厚が変わっても常に内Rは板厚と同じ値、外Rは板厚の2倍(内R+板厚)の値になります。板厚を変更するたびに、Rを変更しなくて済むので設計ミスの予防になり、工数も削減できます。

修正後の板金モデル
板厚が一定に修正されたモデル

スケッチ中の関係式と「測定」を使った関係式

スケッチ編集中に『この寸法に対して〇〇にしたい』と言った場面はよくありますよね。そんなときに使えるテクニックと、測定した寸法に対しての関係式、「測定」について解説します。

STEP
穴位置を中心から割り振る

下の画像のように、穴位置を中心から割り振りたい場合、[60÷2=30]で寸法を[30]と入力すれば良いのですが、ピッチが変更になった際に、位置寸法も変更しなくてはいけません。

『寸法変えるの忘れてた……』なんてことにならないように、ピッチが変わっても常に中心からの割り振りになるように、関係式を使ってみましょう。

穴位置を中心から割り振りたい
STEP
スケッチ中の寸法から関係式

中心からの距離に「=」(半角)を入力します。

=を入力する
STEP
スケッチ中の寸法から関係式

ピッチ寸法をクリックします。数字は表示されませんが、クリックした寸法と同じ寸法が反映されます(今回の場合は60mm)。

スケッチ中の寸法をクリックする

/2」を追記してOKボタンOK」ボタンをクリックすれば「ピッチ/2」という関係式の完成です。

ピッチ寸法に[/2]を追記する
STEP
測定した寸法からの関係式

今回の例では寸法が分かっているので、真ん中に穴を開けたい場合、[50÷2=25]ですが、他の部品を参照して定義しているときは、寸法を測定しないと分かりません。そんなときに便利なやり方です。

変更したい寸法をダブルクリックして「=」(半角)を入力し、「測定」をクリックします。

穴位置の寸法をダブルクリックして「=」を入力
STEP
対象の寸法を測定

対象の距離を測定します。

測定した距離に対して真ん中なので、「/2」を追記してOKボタンOK」ボタンをクリックしましょう。

測定した距離に[/2]を追記する
STEP
結果は関係式で管理できる

ここまでの結果は、関係式として管理できます。「25」と「30」に関係式のアイコン「∑」が付いてますね。

ここまでの関係式の結果
ここまでの結果

デザインツリーの「関係式」を右クリック→「関係式の管理」または、ツールバーの関係式アイコン「」から関係式を管理・修正することができます。

下の画像は、ここまでのRの修正から穴の位置決めまでの関係式です。

関係式の管理のウィンドウ

まとめ|関係式を使って設計を自動化する

  1. 関係式を追加したいスケッチを編集中にする
  2. 『関係式、グローバル変数、寸法』から順次指定ビューを選択
  3. 関係式を追加したい寸法を表示させる
  4. 関係の追加をクリックする
  5. 寸法をクリック → 式を入力して関係式を完成させる

関係式を追加することで、大きさが変わるだけであれば設計を自動化できます。

最初に一手間かけておけば後は自動で変更してくれるので楽ちんです。「毎回毎回この部品の変更面倒だな」って思う部品があれば関係式をうまく使って効率良く作業を進めましょう。

同フィーチャーであればスケッチ内でうまく拘束関係を追加して効率化する方法がおすすめです。別記事にしているので、ご興味があればご一読ください。

おまけ

この記事で紹介している【関係式】を当サイトで公開中の『鋼製管フランジ WN形』をモデリングした時に使っているので、使用例として載せておきます。

下の画像のようにテーパー部分が「1 : 1.25」と規定されています。

WN形テーパー部

下の画像は「回転ボス/ベース」のスケッチです。回転なので半径で作図。上の画像の半分の三角形が描かれています。

半分なのでR27.5に2を掛け、1.25を掛けることで68.75になる式を追加しています。
『”D8@スケッチ2″ (68.75) =”D3@スケッチ2″ (27.5) x 2 x 1.25』

WN形テーパー部の関係式

この関係式の追加をすることで、計算して寸法を変更する工程を削減。ハブ元の寸法を変更するだけでY方向の寸法は自動で計算して変更されます。

以上、おまけでした。

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