他の部品を参照して部品を編集する方法【外部参照】

  • 「アセンブリしてみたら、干渉するからカットしたい。」
  • 「カバーのバカ穴に合わせて穴を開けたい。」

SOLIDWORKSで設計中に、こんなことを思ったら【外部参照】が便利です。

この記事では、「アセンブリで他の部品を参照して部品を編集する方法」をCADデータを使って解説しています。初心者向けに細かく解説しているので、中級者以上の方にはまどろっこしい内容です。

他の部品を参照して「新規部品を作成したい場合はこちら」をご覧ください。

CADデータを使って【直線パターンコピー】と【アセンブリ】をやってみる】で製作したモデルも一部使用します。保存してある場合は、一緒に手を動かしてみましょう。

目次

図面の確認と準備

図面の確認

これからモデリングするものを図面で確認しておきましょう。『pdf』データを置いておくので、確認してください。↓
FLANGE1.pdf

今回は『CADデータを使って【直線パターンコピー】と【アセンブリ】をやってみる』の「FRAME1」と合わせて一つの製品にします。
使う材料は違いますが、外形寸法と穴位置が同じなのを確認してください。

CADデータを保存

今回使う材料は『等辺山形鋼 40 x 40 x 5』です。

CADデータをダウンロード → インポートしてください。
方法が不明な場合【CADデータをダウンロードしてインポートする方法】をご覧ください。

このボタンからCADデータをダウンロードできます。

この製品は同じ材料で2種類、4部品で出来ています。初めに2種類のファイル名で保存しておきましょう。

同じ部品を違う名前で保存するには、「指定保存」を選択します。

指定保存

ここでは『FLANGE-01』『FLANGE-02』で保存します。

名前を付けて保存

長さの変更

保存した、CADデータを下記の長さに変更しましょう。

  • FLANGE-01」を750mm
  • FLANGE-02」を1120mm

長さを変更する詳しい内容は、【形鋼の長さの変更方法】をご覧ください。

参照ジオメトリ(中間平面)

グラント

各部品に参照平面を追加します。

フィーチャー」タブの「参照ジオメトリ」から「平面」を選択してください。

参照ジオメトリの平面

アングルの端面」を2ヶ所それぞれクリックします。

端面から中間平面
端面から中間平面

中間平面」になっているのを確認して「OKボタンOK」ボタンをクリックしてください。

参照ジオメトリの中間平面

これを2つの部品に対してそれぞれ行います。

アングルの中間平面

アセンブリ

グラント

まだ部品は完成していませんが、組み立ててしまいます。

アセンブリの解説は【直線パターンコピー】と【アセンブリ】を参照してください。
ここでは解説は省き、流れだけ記載します。

部品の挿入

新規アセンブリを開きます(新規 → 使用するアセンブリテンプレート → OK)。

新規作成
新規アセンブリ

左側のPropertyManagerから、挿入したい部品を選択します。「FLANGE-01」から挿入しましょう。

グラフィック領域にポインターを移動して、原点に合わせてクリックします。

アセンブリにFLANGE-01を挿入

アセンブリ」タブから「構成部品の挿入」をクリックしてください。

構成部品の挿入

FLANGE-02」をクリックして、「Y軸を中心に90°回転」させてから、空いているスペースをクリックして挿入してください。

部品の挿入時に回転
FLANGE-02を挿入

合致

アセンブリ」タブから「合致」をクリックしましょう。

合致

後に挿入した「FLANGE-02」の端面をクリックしてください。

合致する面

先に挿入した「FLANGE-01」の「Lの字の外面」をクリックします。

表示されたボックスの「一致」クリックして、「OKボタンOK」ボタンをクリックしましょう。

合致する面、一致

同様に二つの部品の底面をクリックして、「一致OK」をクリックしましょう。

合致する面、一致

FLANGE-02」Lの字の外面とFLANGE-01」の端面をクリックしてください。

合致する面

距離」の寸法を「40mm」にして、間違いない見た目になっていれば、「OKボタンOK」ボタンをクリックしてください(揃うべき面が揃わず、飛び出してしまうようなら、「寸法反転」をクリック)

合致、距離

合致は終わりなので閉じます。

合致を閉じる

構成部品のミラー

グラント

足りない部品をミラーを使って挿入していきます。

アセンブリ」タブの「構成部品パターン」のプルダウンメニューから、「構成部品のミラー」を選択してください。

構成部品のミラー

平面が表示されていない場合はヘッズアップビューツールバーから「平面を表示」しましょう(平面の表示/非表示のコマンドが有ればそこから、無ければ表示/非表示から平面の表示です)。

平面の表示/非表示
平面の表示/非表示

左側のPropertyManagerの「ミラー平面」がアクティブ(水色)の状態で、「FLANGE-02」の「中間平面」をクリックしてください(ボックスをクリックするとアクティブになります)。

ミラーコピーする構成部品」がアクティブ(水色)の状態で、「FLANGE-01」をクリックしてください。「OKボタンOK」ボタンをクリックすれば「FLANGE-01」がミラーコピーされます。

FLANGE-01のミラーコピー
グラント

同様に「FLANGE-02」をミラーコピーします。

左側のPropertyManagerの「ミラー平面」がアクティブ(水色)の状態で、「FLANGE-01」の「中間平面」をクリックしましょう。

ミラーコピーする構成部品」がアクティブ(水色)の状態で、「FLANGE-02」をクリックしてください。「OKボタンOK」をクリックして「FLANGE-02」をミラーコピーします。

FLANGE-02のミラーコピー

下の画像と同じになっていれば次に行きましょう。

構成部品のミラーを完了

外部参照(直線を参照)

グラント

ここからアセンブリ上で部品を編集していきます。

アセンブリを『FLANGE1』と名前を付けて「保存」してください(保存してからじゃないと部品の編集ができません)。

「FLANGE-01」の要らない部分をカットしていきます。

部品編集の確認

FLANGE-01」を選択してください。

編集する部品を選択

アセンブリ」タブの「構成部品編集」をクリックしましょう。「FLANGE-01」が編集できるようになります。

構成部品編集

またはショートカットメニューの「部品編集」からでも構いません。

ショートカットメニューの部品編集
ショートカットメニューの部品編集

フィーチャー」タブから「押し出しカット」をクリックしてください。

押し出しカット

スケッチ面(カットしたい面)」をクリックします。

カット面を選択

選択アイテムに垂直」にしてください。

選択アイテムに垂直

直線」コマンドをクリックしてください。

直線コマンド

ここでは左側にスケッチしていきます。

参照部品(ここでは「FLANGE-02」)のRの上の部分にポインターを合わせて、「一致拘束」のアイコンが表示されている状態でクリックしてください。

外部参照、直線、一致アイコン

そのまま上へ移動して上のエッジに「一致」と「鉛直」のアイコンが表示されている状態でクリックしてください。

外部参照、直線、一致と鉛直アイコン

連続(チェーン)で直線を描いていきます。

そのまま左に移動して、カドに合わせて「一致」と「水平」のアイコンが表示されている状態でクリックしてください。

外部参照、直線、一致と水平アイコン

次は下に移動して、厚さの内側のエッジ左側のエッジ交差したところに合わせて、「一致」と「鉛直」のアイコンが表示されたところでクリックしてください。

外部参照、直線、一致と鉛直アイコン

次は右に移動して、Rの下の部分に合わせて「一致」と「水平」のアイコンが表示されている状態でクリックしてください。

外部参照、直線、一致と水平アイコン

直線を描き始めた場所に合わせて「一致」のアイコンが表示されたところでクリックしてください(※ここだけ直線ではなく円弧で描きます)。

直線になってしまう場合は一度「Rと直線の接している部分」に「ポインターを戻して」から動かしてください(または右クリック → 円弧に切り替え)。

外部参照、円弧、一致アイコン

他の部品を参照して図形が描けました。「スケッチ終了」をクリックしてください。

スケッチ終了

次サーフェス」までを選んで「OKボタンOK」ボタンをクリックしてください。

次サーフェスまで

反対側のカットはミラーコピーします。「フィーチャー」タブから「ミラー」をクリックします。

フィーチャーのミラー

ミラー面/平面」がアクティブの状態で「FLANGE-01」の「中間平面」を選択してください。

ミラーコピーするフィーチャー」がアクティブの状態で先程の「押し出しカット」を選択したら、「OKボタンOK」ボタンをクリックしてください。

ミラーコピーするフィーチャー

これでアングルの形は図面どおりになりました。「アセンブリ」タブから「構成部品編集」をクリックして部品編集モードから抜けましょう。

選択モードへ
グラント

保存」をしてください。次は穴を開けていきます。

外部参照(円を参照)

サブアセンブリの挿入

新規アセンブリを開きます(新規 → 使用するアセンブリテンプレート → OK

新規作成
アセンブリ

直線パターンコピー】と【アセンブリ】で製作した『FRAME1』と先程製作した『FLANGE1』を挿入します。『FRAME1』と『FLANGE1』を閉じていた場合は参照から開くことが可能です。

構成部品の挿入

平面が表示されていない場合はヘッズアップビューツールバーから平面を表示してください。

平面の表示/非表示
平面の表示/非表示

合致

FRAME1」の上面と「FLANGE1」の底面を「一致」させます。

合致、底面を一致

「FRAME1」と「FLANGE1」それぞれ平行な平面を「一致」させます。

合致、平面を一致
合致、平面を一致

合致が完了したら「保存」しましょう。

円を参照

「FRAME1」に開いている穴を参照して「FLANGE1」に穴を開けていきます。

FLANGE-01」を選択して「構成部品の編集」をクリックしてください。

編集部品を確認
構成部品編集

フィーチャー」タブから「押し出しカット」をクリックしましょう。

押し出しカット

スケッチ面は「底面」をクリックします。

カット面を選択

選択アイテムに垂直」にしてください。

選択アイテムに垂直

」をクリックしてください。

円コマンド

「FRAME1」の「穴の中心」にポインターを合わせて、「一致」アイコンが表示されたところでクリックしてください。

円の大きさは今は適当で良いので、「ポインターを移動してもう一度クリック」してください。これを四つの穴全てに対して行います。

外部参照、円
外部参照、円の全体

選択モード(右クリック → 選択)にしてからスケッチした「四つの円を全て選択」してください(ドラッグで全て囲う、またはCtrl + A)。選択した要素は水色になります。

円を複数選択

左側、PropertyManagerの拘束関係追加から「等しい値」をクリックして「OKボタンOK」ボタンをクリックしてください。

等しい値、拘束

寸法を追加します。「スマート寸法」をクリックしましょう。

スマート寸法

円弧(一つだけ)の寸法をφ13にします(全ての穴がφ13になり完全定義される)。

寸法追加

スケッチ終了」をクリックしましょう。

スケッチ終了

次サーフェス」までを選んで「OKボタンOK」ボタンをクリックしてください。

次サーフェスまで

アセンブリ」タブの「構成部品編集」をクリックして部品編集モードから抜けましょう。

選択モードへ
グラント

同じ手順で「FLANGE-02」にも3つ穴を開ければ完成です。

FLANGE-02が完成
FRANGE1

まとめ|他の部品を参照して部品を編集すると楽

外部参照は使わなくてもモデリングは可能です。しかし、相手の部品に対して必要な要素には、なるべく使うべきだと考えます。

部品単体でモデリングするよりもミスを減らせますし、工数も減らせます。考えることも減るので精神的にも楽ができます。

おまけに変更する際に参照した部品を変更すれば、自動で2つの部品の変更が終わります(穴のピッチの変更など簡単な変更のみですが……)

グラント

便利な機能を少しずつ覚えて、利用していきましょう。

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グラント
板金設計/筐体設計・板金加工歴17年の現役エンジニアです。

精密機器メーカー → FA機器メーカー → 加工メーカー×2 → 現在は、装置メーカー(プラント関係)にて、設計やモデリング・製図・NCデータの作成を主にやっています。

メインツールは『SOLIDWORKS/SheetWorks』

製造業で働く皆なさまが、収入アップを実現できるように、当サイト【グラント】を運営。
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