SOLIDWORKSを使ってインポートした当サイトのCADデータ(形鋼)の長さを変えてみましょう。
ここでは、次の2点について解説します。
- よく使うコマンド『押し出しボス/ベース』『エンティティ変換』等を使う方法(初心者向け)
- 早くて簡単な『面の移動』を使う方法
ここでは『等辺山形鋼 75 x 75 x 6』を使って解説しています。
フィーチャー認識して編集する方法はこちらをご覧ください。
![](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/09/59a62352164513f8696e4ba0e0e7de89-300x163.png)
形鋼を長くする(押し出しボス/ベース、エンティティ変換)
「長さを1220mmに変更したい場合」を例に進めていきます。
まず、ダウンロードしたアングルの長さを測定しましょう。
ツールタブの「評価」から「測定」コマンドを選択してください。
![評価測定](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/c0cc4bc8c2aeb0771e93a37a51cf752e.png)
「アングルの端面」(L字の面)をクリック → 「反対側の端面」をクリックしてください。
- モデルを拡大・縮小させる → ホイールを回転させる
- モデルを回転させる → ホイールを押したままマウスを動かす
- モデルを移動させる → Ctrlキー + ホイールを押したまま(ミドルクリック)マウスを動かす
ポインターの横に表示されるアイコンで選択できる要素が分かります。← 面
← エッジ
← 点
![測定結果→1000mm](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2024/01/35b448fc3e53af84f57de14dfc319865.jpg)
長さが1000mmなのが分かります。1220にしたいので220足していきます。
- ツールタブの「フィーチャー」タブから「押し出しボス/ベース」を選択
- スケッチする「面(アングルの端面)」を選択(クリック)します。
![押し出しボス/ベース](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/aa17d5060f5a95cf7b3aff83cfc31fc0.png)
![アングル端面を選択](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/09/0335f1d73a58f31bdab255e07b5e06f2.png)
メニューバーにスケッチ編集中である「スケッチ←」が表示されます。
![スケッチ編集中](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/0746613f99ffdebfc17dde1808fa98e5-1.png)
「エンティティ変換」を選択してください。
先ほど選択した面と同じ「端面」をクリックして、「OK」ボタンをクリックしてください。
![エンティティ変換OK](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/bc2e9d9e694d21057083d98bc4bd8a4e-1.png)
![エンティティ変換、面を選択](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/0214212ff7577f8eaed7ee8c89b57c48.png)
アングル端面の外形がスケッチに変換されます。「スケッチ終了」をクリックしてください。
![エンティティ変換後](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/09/3983efaea9312c28fdfe5080a4d9b58d.png)
![スケッチ終了](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/09/cf0e082120037a8951e634581943d0e5.png)
グラフィック領域内にプレビューが表示されます。左側のPropertyManagerに押し出し量を入力しましょう。
「ブラインド」になっていることを確認して、その下に数値を入力してください。
今回は1000 → 1220なので、「220」と入力しましょう。
その下の「結果のマージ」にチェックを入れて「OK」ボタンをクリックします。
![押し出しボス/ベース、ブラインド220](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/59ff2427d8ed3fea2a622291217d1425.png)
これで「アングル 75x75x6 L1220」の3Dモデルができました。
![アングル 75x75x6 L1220](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/f2479552067afc0a638852569fa3a4cd.png)
形鋼を短くする(押し出しカット)
![](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2022/10/ce0798eb4d2d9a899ce53b27f3c90d91-150x150.png)
ここで仕様が変更になって、アングルの長さが800になりました。急な仕様変更は、これまでの作業が無駄になるのでやめていただきたいですね。
少しおさらいします。
アングルの長さを1000 → 1220 → 800と変更することになりました。方法はいくつかあります。
- ダウンロードしたファイルをもう一度開いて、1000を800にカットする。
- 今まで作業したモノをそのまま利用して、1220を800カットにする。
- 今まで作業したモノを編集して、1220から800にする。
今回は3番の編集する方法を使います。理由は次の2点です。
- 1番は部品ファイルが無駄に二つになってしまう。
- 2番は履歴が無駄に増えてしまう。
SOLIDWORKSはデザインツリーに履歴が残ります。履歴をわかりやすい状態にしておいた方が、後々の変更に対応しやすくなります。
左側のデザインツリーを見てみると、先程220押し出した「ボスー押し出し1」という履歴があります。これをフィーチャー編集することで長さを変えることができます。
これは1000あったモノを長くした履歴なので、1000より長い寸法であればブラインドの数値を変更するだけです。しかし、今回は1000以下の800にしなければいけないので、数値を変えるだけでは対応できません。
「ボスー押し出し1」をクリック → 「フィーチャー編集」でブラインドの数値を変更できます。
![履歴からフィーチャー編集](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/ec1dc712cd246045aa02a7e2adc8aee2.png)
「ボスー押し出し1」は使えないので削除します。
「ボスー押し出し1」を右クリック → 「削除」。または、「ボスー押し出し1」を選択して「Delete」キーです。
![履歴の削除](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/5510139c2223594d0df2b479644783e1.png)
表示されたダイアログの「含まれているフィーチャーを削除」のチェックが外れているのを確認して
「はい」をクリックしてください(チェックが入っていると、スケッチも削除される)。
![含まれているフィーチャーを削除のチェックが外れている](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/777e84287a2c5f56c18684d5c5b01cea.png)
これで長さ1000のアングルに戻りました。
残っている「スケッチ1」を選択して「押し出しカット」をクリックしてください。
![履歴のスケッチから押し出しカット](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/ee491a3a739200661d22e8a637559a39.png)
今回はカットする量(短くする長さ)をPropertyManagerに入力します。
ブラインドの数値は「1000−800=200」の「200」をしてください。または、1000-800 → Enterキーと入力してもOKです。
SOLIDWORKSの数値を入力する部分は計算機としても使えるので「計算してから答えを入力」と「計算式を入力→Enter」は同じ結果になります。暗算で答えが出ていなければ計算式を入力したほうが早いです。
![押し出しカット、ブラインド1000−800](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/a0261241277fdbd1680218ea01a647c7.png)
これで「アングル 75x75x6 L800」に変更できました。
![アングル 75x75x6 L800](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/08/14eeaf38ed19d7241192c8d37ef6db50.png)
面の移動|これが早くて簡単!
- 「アングルの端面」を右クリック
- 下の「 」をクリック
![移動したい面を右クリック](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/12/f2e603e1d7517a392fad3ef6c4dcf8af.png)
「移動」を選択します。
![移動を選択](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/12/6b8c14f2f96a891d0b2e7b34866a668a.png)
- 「オフセット」を選択
- パラメータに「オフセット量を入力」
- 「長くするならそのまま」
OKボタンをクリック
「短くするなら『反対方向』にチェック」を入れてからOKボタンをクリック
![面の移動(オフセット)のプロパティ](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2021/12/ce2f42f58dedad8f706ea4e0fc97f941.png)
以上で長さを変更できます。
![](https://grant-h.com/wp-content/uploads/2022/10/5885736bd1b025d5027fc5b4611c052e-150x150.png)
単純に早いのでこの方法がおすすめです。
まとめ|ポイント
- 長くしたい時は『押し出しボス/ベース』→『エンティティ変換』
- 短くしたい時は『押し出しカット』→『エンティティ変換』
- 早くて簡単『面の移動』
- 端面を右クリック → 移動 → オフセット
ポイント 1
履歴を意識しながらモデリングしましょう。
複雑なモデルだと一ヶ所変更するのにあっちもこっちも編集…なんてことが起こります。履歴が汚いデータは変更するのが苦痛になるので、慣れてきたら未来の自分のために意識しましょう。
ポイント 2
数値の入力は計算式を入力しましょう。
計算機を別で用意して、答えを出して、答えを入力……無駄です。CADの計算機能を利用することで無駄な時間を省けます。
今回は形鋼の長さを変更する方法についてでした。
それでは。