銘板の刻印やレーザーカット用のテキスト(文字)をCAMにエクスポートしてからCAM側で作業していませんか?
3Dモデルに実際のテキストがあると実物のイメージがしやすいので、デザインで重要なテキストはモデリングしてみましょう。
この記事では、「テキスト(文字)を『押し出し』する方法」と「スケッチしたモノを他の面にコピー&ペーストする方法」をご紹介します。
当サイトで公開中のスパナに呼びテキストを押し出してみます。CADデータをダウンロードして手を動かしながら読み進めると身につくので試してみてください。
※この記事はスケッチ編集を問題無くできることを前提に記述しています。
このボタンからこの記事で使用しているCADデータをダウンロードできます
スケッチテキスト
文字をスケッチ
スパナの柄の部分にスケッチします。
下の画像の、赤の楕円部分のように作図線で「直線」と「円弧」を描いておきます。
「スケッチ」タブから「テキスト」コマンドを選択します。
- カーブに「直線」を選択
- テキストに「13」と入力
- ドキュメントフォント使用のチェックを外して「フォント」をクリック
- フォントでお好みのフォントを選択
- サイズでテキストの大きさを変更
- OKボタンをクリック
カーブで「円弧」を選択すると、円弧に沿って文字がカーブします。
その他にカーブに対してテキストの位置や幅、間隔などを変更できます。
テキストを「範囲選択 or ダブルクリック」で選択してから、下の「B」のアイコンで太文字に、「I」のアイコンでイタリック体にそれぞれ変更できます。
「回転」アイコンをクリックするとテキストが回転します。
角度はテキストボックス内 <r_> の数値で変更することができます(下の画像の「45」の部分)。
目的のデザインができたら「OK」ボタンをクリックします。
「フィーチャー」タブから「押し出しボス/ベース」を選択してください。
ここではで「0.1mm」押し出します。
ここでは「押し出しボス/ベース」を使用していますが、「押し出しカット」など、他のコマンドも使用可能です。
スケッチテキストを図形に変換
スケッチテキストを右クリックして、「スケッチテキストの解体」を選択するとテキストを通常の図形に変換できます。
スケッチテキストの解体をすると、「寸法」や「拘束」などを追加できるようになります。
※一度解体してしまうとスケッチテキストに戻せません。解体前に保存しておきましょう。
スケッチを他の面にコピー&ペーストする2つの方法
裏面にも同じテキストを入れたい場合、ミラーコマンドを使うと文字が反転してまうのでスケッチをコピーします。
方法を2つ解説しますので、状況に応じて使い分けてください。
例えば次のような使い分けがおすすめです。
- 他の部品へコピーする場合は「クリップボード」
- 同じ部品内であれば「参照スケッチ」
クリップボードにコピー → ペースト
クリップボードを利用する方法です。この方法は他の部品へのコピーも可能です。
テキストのある「スケッチ」を選択して、上のメニューバーから『編集 → コピー』を選択します。
またはキーボードで「Ctrl」+「C」を押下して、スケッチをクリップボードにコピーします。
貼り付けたい面を「スケッチ編集中」にしてください(「裏面」をクリック→「スケッチ」タブを選択→「スケッチ」をクリック)。
上のメニューバーから『編集 → ペースト』または「Ctrl」+「V」で貼り付けます。
貼り付けただけでは、寸法や拘束はコピーされません……
スケッチを編集する必要があります。
この方法は図形や寸法、拘束はコピーできますが、テキストはコピーできません。
テキストをコピーするには、「スケッチテキストの解体」が必要です。
コピーしたいスケッチを編集中にします。
- コピーしたいスケッチや寸法、拘束を選択(すべての場合は「Ctrl」+「A」)
- 『編集 → コピー』または「Ctrl」+「C」でコピー
- スケッチ終了
あとは上記と同じように、貼り付けたい面を「スケッチ編集中」にして、「ペースト」(「Ctrl」+「V」)します。
表面と同じように「寸法」と「拘束」を追加をします。
このときに「関係式」を追加しておくと、表面の寸法変更が裏面にも反映されます。
関係式についてはこちらの記事で解説しています。
「テキストをダブルクリック」すると、スケッチテキストの「PropertyManager」が開いて編集できます。
デザインが整ったら「OK」ボタンをクリックして、「フィーチャー」タブから「押し出しボス/ベース」で押し出して完了です。
参照スケッチ
「参照元のスケッチを変更すると、参照先が自動で同じ形状になる方法」です。参照先のスケッチは、位置以外の変更ができません。
この例では、参照先も自由に編集する場合に使う「参照関係の解除」も解説しています。
「コピーするスケッチ」と「貼り付ける面」を選択してください。
上のメニューバーの「挿入」から「参照スケッチ」を選択してください。
スケッチはコピーできましたが、文字が反転してしまいました……
編集しようとしてテキストをダブルクリックすると「参照スケッチのスケッチテキストは編集できません。」と表示されます。
編集するには、参照関係を解除する必要があります。
解除したい「スケッチ」を右クリックして、「参照解除」を選択してください。
「テキストをダブルクリック」すると編集できるので、「文字を反転」させればスケッチの完成です。
あとは「フィーチャー」タブから「押し出しボス/ベース」で押し出して完成です。
まとめ|【スケッチテキスト】とスケッチのコピー&ペースト
- スケッチテキストは「スケッチ」タブ → 「テキスト」コマンドから挿入する。
- カーブ(線)をスケッチしておくと、カーブに沿ってテキストを配置できる。
- スタイルはスケッチテキストの「PropertyManager」で編集する。
- 「スケッチテキストの解体」をすることで、テキストを図形として編集できる(テキストに戻すことはできない)。
- クリップボードを利用してコピー&ペースト
(他の部品にもコピーできるが、寸法や拘束はコピーされない) - 「参照スケッチ」を利用してコピー&ペースト
(参照元と参照先は常に同形状になるため、参照先を編集するには参照解除が必要)
SOLIDWORKSのスケッチテキストは簡単にデザインを楽しめるので、こだわりすぎて設計の時間を圧迫しないようにお気をつけください。
スケッチのコピー&ペーストは便利なので、状況に応じて2つの方法をうまく使い分けてください。
それでは。