SOLIDWORKSで形鋼フレームをモデリングするときは、「鋼材レイアウト」を使ってください。
板金でも形鋼でも、フレーム形状を作るときに『押し出し』や『シェル』を組み合わせて力技で作っていると、修正のたびに大量のフィーチャーをやり直すことになります。鋼材レイアウトを使えば、ワイヤーフレーム(骨組みの線)に対して断面プロファイルを流し込むだけなので、作業時間を大きく短縮できます。
この記事では、前後の中央にも柱が立つフレーム(下の画像)を例に、ワイヤーフレームの作成から形鋼の挿入、トリム/延長までの手順を解説します。
※ この記事はスケッチ編集を問題なくできる方を対象としています。

ワイヤーフレームを作成する
鋼材レイアウトを使うには、まず骨組みとなるワイヤーフレームを3Dスケッチで作る必要があります。形鋼は、このワイヤーフレームの線に沿って配置されます。

STEP 1:新規部品を作成する
「新規」から使用する部品テンプレートを選択し、「OK」をクリックします。


STEP 2:平面に矩形をスケッチする
平面をアクティブにして、「スケッチ」タブから「スケッチ」を選択します。

「矩形中心」コマンドで原点に中心を一致させ、1000×800の矩形を描きます。


「スケッチ終了」をクリックして編集を終えます。

STEP 3:参照平面を追加する
フィーチャータブの「参照ジオメトリ」から「平面」を選択します。

平面から距離500mmの位置に参照平面を挿入します。
- 第1参照に平面を指定
- 距離を 500mm に設定
OK ボタンをクリック

STEP 4:参照平面に矩形をスケッチする
STEP 3で追加した参照平面にスケッチを作成します。

「エンティティ変換」を選択します。

STEP 2で描いた矩形を構成する実線4本を選択し、エンティティ変換します。
- 矩形の直線(実線)4本を選択
- OK ボタンをクリック

「スケッチ終了」をクリックして編集を終えます。

STEP 5:3Dスケッチで上下の矩形をつなぐ
「溶接」タブから「3Dスケッチ」を選択します。

- タブを右クリック
- 一覧から溶接にチェックを入れる

「直線」コマンドを選択します。

上下2つの矩形の4つの角を一致拘束で結び、4本の直線を3Dスケッチで描きます。

続けて、矩形の中点と中点を直線で結びます。正面側と背面側で計2本の直線を追加してください。


「3Dスケッチ」をクリックして編集を終えます。これでワイヤーフレームは完成です。

鋼材レイアウトで形鋼を挿入する
ワイヤーフレームの直線に対し、断面プロファイル(溶接輪郭)を割り当てて形鋼を生成していきます。ここではSOLIDWORKSに標準でインストールされている『山形鋼 40×40×5』を使います。

STEP 1:溶接輪郭を選択する
「溶接」タブから「鋼材レイアウト」を選択します。

PropertyManagerで溶接輪郭を以下のように設定します。
- 規格:JIS
- Type:等辺山形鋼(l-e)
- サイズ:40 × 40 × 5

STEP 2:底面の形鋼を挿入する
- 「グループ」をクリックしてアクティブ(水色)にする
- 底面の直線を、隣接している順番でクリックしていく
- コーナーの処理は「とめ加工」を選択する

STEP 3:上面の形鋼を挿入する
- 「新規グループ」をクリック
- 上面の直線を隣接している順番でクリック
- コーナーは「とめ加工」
- 「輪郭をミラー」にチェックを入れる

STEP 4:4本の柱を挿入する
- 「新規グループ」をクリック
- 4隅の縦線をクリック(柱は一本ずつ新規グループで作成)
- 「輪郭をミラー」や「角度」を調整して、向きを正しく整える

STEP 5:中央の2本の柱を追加する
- 「新規グループ」をクリック
- 真ん中の直線をクリック
- 「輪郭をミラー」や「角度」で正しい向きにする
- 「輪郭配置」をクリック
- 輪郭の中心にある点をクリックして配置基準を変更する


トリム/延長で形状を整える
鋼材レイアウトを終えると、柱が他の形鋼にめり込んだり、突き抜けたりして形状がおかしくなっていることがあります。これを「トリム/延長」コマンドで整えます。

「溶接」タブから「トリム/延長」コマンドを選択します。

「トリムするボディ」に 4本の柱 を選択します。

続いて、トリム境界を設定します。
- 「トリム境界」のラジオボタンを「面/平面」に切り替える
- 要素として、柱と接している面を上下ともクリック
- OK ボタンをクリック

余計な部分が削除され、正しい形状になります。

トリム境界:「面/平面」と「ボディ」の違い
トリム境界の選択肢には「面/平面」と「ボディ」があり、結果が異なります。意図と違う形状になったときは、もう一方を試してみてください。



これでフレームの完成です。
異なる種類の鋼材を組み合わせるには
この記事では一種類の鋼材しか使っていませんが、異種鋼材の組み合わせも可能です。
OKボタンで鋼材レイアウトをいったん終了し、もう一度「鋼材レイアウト」コマンドから別の溶接輪郭を選択すれば、同じパーツファイル内で混在させられます。
まとめ|溶接構造のフレームは鋼材レイアウトで作る
形鋼フレームのモデリングは、押し出しやシェルを組み合わせるより、鋼材レイアウトを使ったほうが圧倒的に手数が少なく済みます。手順を整理すると次のとおりです。
- ワイヤーフレームを3Dスケッチで作成する
- 鋼材レイアウトで使う溶接輪郭を選択する
- ワイヤーフレームの各直線に形鋼を挿入する
- トリム/延長で接続部の形状を整える
溶接輪郭にはよく使うフレーム断面を自作で登録しておくこともでき、JIS規格の構造部材以外にも柔軟に対応できます。
SheetWorks をお使いの場合は、ここからアセンブリ作成や鋼材解析へも展開できますので、溶接フレームを扱う機会が多い方はぜひ活用してみてください。

