Macを使ってるけど、仕事や趣味でどうしてもWindowsが必要になることはありませんか?実は、MacでWindowsを使う方法は、意外と簡単に実現できます。
OSによる違いが減ってきたとはいえ、ゲームやCADは依然としてWindows専用のものが多いです。
ここでは個人のMacユーザーが、Windowsを使うための最適な方法を詳しく解説していきます。
※この記事は個人向けです。組織(会社)で使うことを前提としている「Windows 365」のようなサービスは対象外です。
MacでWindowsを使うための選択肢
まず、大きく分けると次の3つの選択肢が存在します。
※「Boot Camp」は、Appleシリコン(Mシリーズ)のMacに対応していないため、ここでは選択肢から省きます。
仮想化ソフトウェア(Parallels Desktop)
メリット | デメリット |
---|---|
導入と操作が簡単 キーボードやファイル共有などの設定が細かくできる MacとWindowsを同時に使用できる オフラインでも使用可能 コストが低い | Windowsの動作がMacのスペックに依存する 一部のWindowsアプリに互換性がない場合がある 仮想化ソフトとWindowsのライセンス料金が必要 |
仮想化ソフトはParallels Desktop一択です。ほかにも存在しますが、Appleシリコンに対応していて、Microsoftが認定しているものは他にありません。
Parallels DesktopとWindowsの料金はかかりますが、他の選択肢に比べて低コストで手軽にMacとWindowsが使用できます。
個人利用には、もっともおすすめの方法です。
Parallelsを使用すれば、1台のパソコンで同時にMacとWindowsが動きます。例えば、「WindowsでCADを使って設計を行いつつ、Macを使用してチャットやFaceTimeでコミュニケーションを取る」といったことができます。
欠点は、良くも悪くもMacのスペックに依存するため、うまく動作するかどうかは、使っているMac次第です。
「Macのスペックは低いけど、ゲームがやりたい」といった場合は、他の選択肢を選ぶか、Macの買い換えが必要になります。
▼推奨システム条件▼
分類 | 要件 |
---|---|
プロセッサ(CPU) | Apple M3, M3 Pro, M3 Max, M2, M2 Pro, M2 Max, M2 Ultra, M1 Pro, M1 Max, M1 Ultra, Intel Core i5, Core i9, Core M または Xeon |
メモリ(RAM) | 16GB以上 |
空きストレージ | Parallels Desktop アプリケーション:600MB Windows OS:16GB 以上 |
グラフィックス | Apple M3, M3 Pro, M3 Max, M2, M2 Pro, M2 Max, M2 Ultra, M1, M1 Pro, M1 Max, M1 Ultra, AMD Radeon Pro グラフィックカード |
「推奨システム条件」に満たなくても、Appleシリコンを搭載しているMacであれば最小条件は満たせます。
≫ パラレル公式サイトはこちら
14日間は無料で使えるので、迷ったら試しに使ってみましょう。
\14日間 無料/
Parallelsを無料で試す手順はこちらをご覧ください。
VPS(Virtual Private Server)
メリット | デメリット |
---|---|
Macのスペックが低くてもWindowsには関係ない CPU・メモリ・ストレージを簡単に増減できる MacとWindowsを同時に使用できる | インターネット回線が必須 サーバー管理の知識が必要 長期利用は高コストになる |
VPSを簡単に説明すると、一つのコンピューターを分けて、何人かで別々に使えるようにする方法です。例えば、一つの家をいくつかの部屋に分けて、それぞれの部屋を別々の人が使う感じです。
要は「必要なスペックのWindows PCを借りて、インターネット回線で接続して使用できるサービス」です。
VPSで主なサービスは次の2つです。他にも多くのサービスが存在しますが、安心して使い続けられそうなところをチョイスしました。
VPSは「Macのリソースをほとんど割かなくていい」というメリットがあります。
複数のデバイスからWindowsを使いたい場合におすすめの方法です。プランの変更だけでスペックを容易に調整できるので、使用目的が急に変わってもすぐに対応できます。
長期間使いたい場合は、Windows PCを買ってしまって、次に紹介するリモートアクセスを使ったほうがコスパはいいです。
パソコンを安く買う方法はこちらをご覧ください。
リモートアクセス・リモートデスクトップ
メリット | デメリット |
---|---|
Macのスペックに依存しない Macが故障してもWindowsは使える MacとWindowsのリソースをフルで使える | パソコンが2台必要(Mac + Windows) インターネット回線が必須 ホスト側のパソコンが起動していないと使えない(電源は常にON、スリープも不可) ネットワークの速度やサービスによっては遅延が発生する |
MacとWindowsをそれぞれ用意し、インターネット回線を通じてMacからWindowsに接続する方法です(Windows → Macも可能)。
Macが得意なことはMacで、Windowsが得意なことはWindowsでやるので、無難な方法と言えます。
リモートアクセスの主なサービスは次の3つです。
私は最終的にTeamViwerを使っていました。有料ですが、もっとも簡単で快適です。
この方法は多くの方におすすめできる方法です。ただし、私がリモートアクセスで感じた不満点も共有しておきます。
リモートアクセスの不満点
- キーマッピング(キーボードの割り当て)が細かく設定できない
- 2台のパソコンを購入・管理する必要がある
- パソコンの置き場所が取られる
私が我慢できなかったたのは、キーボードの割り当てです。MacのCommandキーは、WindowsのCtrlキーと役割が似ています。
この2つのキーを同じ位置に設定したいところですが、できない……
入力作業に違和感があってイライラするので、リモートでMacからWindowsに接続して使うのは断念しました。
パソコンが2台あるなら、MacとWindowsを直接操作する方がストレスがなく作業できます。当たり前の結論ですが、そうすると外出先でMacとWindowsが両方必要な場合は、2台持ち歩くことになります。
しかし、外出先でパソコンを2台並べられる環境はなかなかありません……
「キーボードの配列がMacとWindowsで違っても問題ない」という人には最適解になりますが、それ以外の人にはおすすめできません。
最適解の結論は「Parallels Desktop」
いろいろ試してたどり着いた最適解は「Parallels Desktop」です(個人でMacとWindowsを使う場合)。
ここからは、Parallelsのメリット・デメリットについて深掘りしていきます。
「Parallelsを使うかどうか迷っている方は見ていってください」と、言いたいところですが、実際に使ってみることで「自分がやりたいことができるのか?」がすぐに分かるので、試してみてください。
\14日間 無料/
もっと詳しく知りたい方は、続きをどうぞ。
Macのスペックに依存する
Parallels唯一の欠点は、Macのスペックに依存することです。
良くも悪くもMacのリソースを使ってWindowsを動かすので、作業内容によってはMacの買い替えが必要になってきます。例えば、3Dゲームのように3Dグラフィックを扱う作業は、MacBook AirやMac miniの最低スペックでは、厳しいでしょう(動いたとしてもサクサクは動かない)。
CPUやメモリ以外にもストレージの使用量も増えます。私の場合は「Parallelsだけで約600MB」「Windows 11で約39GB」も使用しています。
ParallelsでWindowsを動かす場合は、最低でも次のようなスペックがおすすめです。
- CPU:Appleシリコン(M1 以上)
- メモリ:16GB 以上
- ストレージ:512GB 以上
細かい設定できる
Parallelsは自分が使いやすいように、自由度の高いカスタマイズが可能です。
特にショートカットを好きなように変更できるので、MacとWindowsを同時に使用しても、違和感なく操作ができます。
「Macのショートカットはこうだけど、Windowsはこう……」といった、頭で変換するような煩わしいことにはなりません。
余計なことを考えなくて済むので、ストレスなく作業ができます。
MacとWindowsが同時に使用できる
Parallelsは「Macが得意な作業はMacで、Windowsが得意な作業はWindowsで」と、シームレスに使い分けができます。
例えば、「WindowsでExcelを使って、画像編集はMacでやる」→「Macで作成した画像をWindowsのExcelに挿入する」といったことが簡単にできます。
ファイルの共有ができるので、Windowsで作成したファイルをMacのメールアプリで送信するのも簡単です。
Mac上でWindowsを動かす以外にも、WindowsのアプリをMacのDockから直接開くことができる「Coherenceモード」というものがあります。
Macのアプリのように、Windows専用のアプリを使うことが可能です。
オフラインでもOK
ParallelsでWindowsを使用するのに、インターネット回線は必要ありません。
「クラウド型アプリを使いたい」「iCloudやOneDriveのデータを使いたい」といった場合は別ですが、オフラインでもWindowsを起動して使用できます。
どこでもインターネットにつながる時代ですが、VPSやリモートアクセスのように「インターネットにつながないと何もできない……」ということにはなりません。
コストが安い|他の方法と比較
MacでWindowsを使用するために「Mac以外にいくらかかるのか」見てみましょう。
「Parallels」「VPS」「TeamViewer」の3つのサービスを比較してみます。
結論を言うと、初期費用はVPSが最も安価です。しかし、1年間使い続けると、Parallelsが最もコスパが良くなります。
使う期間が長くなるほど、Parallelsが低コストになります。
Parallels Desktop(仮想化ソフト)
サービス名 | Parallels Desktop |
---|---|
サービス料 | Standard Edition(買い切り):14,000円(アップグレード:7,500円) Standard Edition(サブスク):11,500円/年 Pro Edition(サブスク):12,900円/年 Business Edition(サブスク):16,100円/年 |
導入コスト | 買い切りの場合:14,000円 + Windowsのライセンス サブスクの場合:年払いの料金 + Windowsのライセンス 参考)Windowsのライセンス:約20,000円〜28,000円 合計:約4万円 |
ランニングコスト | Parallelsのサブスク代のみ 買い切りの場合はアップグレード代(必要になった場合) |
ParallelsはOfficeを使う程度の事務作業であれば、Standard Editionで十分です。3Dグラフィックや動画なども扱う場合は、Pro Editionを選ぶことになります。
いずれにしても、初期費用は4万円前後です。
ランニングコストはParallelsのサブスクリプション料金のみ。「Standard Editionの永続ライセンス版」は、初めて購入する際は割高感がありますが、一度買ってしまえばその後は料金が発生ません。必要に応じてアップグレードするときの料金だけになります(サブスクより安い)。
使用期間が長ければ長いほど、永続版がお得です。
Xserver VPS for Windows Server(VPS)
サービス名 | Xserver VPS for Windows Server |
---|---|
サービス料 | 例)12ヶ月契約の場合 メモリ 4GBプラン:4,180円/月 メモリ 8GBプラン:8,360円/月 |
導入コスト | サブスク代 + オプション代(必要な場合) |
ランニングコスト | サブスク代 + オプション代 |
ここでは、エックスサーバーの「Xserver VPS for Windows Server」を例にあげました。
はじめに購入するものが何もないので、初期費用はもっとも安上がりになります。プランを変更するだけで、必要なスペック・機能にできるのが魅力です。
5年間も使うと、それなりの高性能マシンが買える料金を支払うことになりますが、パソコンを管理する必要はありませんし、置く場所も必要ありません。
サーバーの知識は必要ですが、物を増やしたくない面倒くさがり屋さんには、合いそうですね。
TeamViewer(リモートアクセス)
サービス名 | TeamViewer |
---|---|
サービス料 | 例)TeamViewerの最安プラン(3台接続可能) シングルユーザー用:41,100円/年 |
導入コスト | サブスク代 + Windows PC + 周辺機器 |
ランニングコスト | サブスク代のみ |
個人でTeamViewerを使う場合は、もっとも安価なプランで十分です。それでも年間41,100円かかってきます。
リモートアクセスを使う場合は、Windows PCが必要です。Macの他にパソコンを買って、置く場所を確保する必要があります。
物理的なスペース的にも、コスト的にも、負担が大きいです。がしかし、実機が触れる安心感と安定感は、他の方法では得ることができません。
導入と操作が簡単
Parallelsは、始めるまでのハードルがとても低いです。
Parallelsをダウンロードして、インストールしてしまえば、ほぼ自動でWindowsが使用できるようになります。
注意点としては、自動でインストールされるWindowsは評価版(試用版)なので、ライセンスを購入するか、すでにライセンスがある場合はライセンス認証が必要です。
Microsoft Storeから購入するのが簡単ですが、定価で購入することになります。割引を受けたい場合は、Amazonや楽天市場で購入しましょう。
Parallelsで正式にサポートされているのは「Windows 11 Pro」と「Windows 11 Enterprise」です。
Homeエディションを購入しないように注意してください。
DSP版はパソコンが変わると使えなくなってしまうので、ダウンロード版がおすすめです。
Windows 11 Proは、どんなに安くても2万円はします。
1万円程度で販売されているものは、非正規品の可能性が高いので手を出さないでください。Yahooショッピングで販売されている数百円のものは論外です。
Amazonで購入する場合は、Amazonのマイクロソフトで購入すると安心です。
Parallels Desktopは、Amazonや楽天市場でも価格差はほとんどないため、公式サイトから購入するのがおすすめです。
\無料トライアルもあり/
\他の通販サイトの価格はこちら/
まとめ
Mac(Mシリーズ)でWindowsを使う方法として、「仮想化ソフトウェア」「VPS」「リモートアクセス・リモートデスクトップ」の3つの選択肢がありますが、最適解は「Parallels Desktop」です。
Parallels Desktopは、MacでWindowsをシームレスに操作できます。
細かい設定が可能で、MacとWindowsを同時に使用できる点も大きな魅力です。さらに、オフライン環境でも使用可能であり、他の方法と比較してコストも抑えられる点が優れています。
導入や操作も簡単で、特別な知識がなくてもスムーズに使い始めることが可能です。
以上の理由から、MacでWindowsを使用する方法の最適解は「Parallels Desktop」です。